『さあ恋におちたまえ』全3巻/大和名瀬

さあ恋におちたまえ (3) (GUSH COMICS)
さあ恋におちたまえ (2) (GUSH COMICS)
さあ恋におちたまえ (GUSH COMICS)

丘の上のお上品学校に入った俺の学園生活はバラ色のはずだった。しかし、自転車通学、ノリ弁持参の庶民の俺は、最近金持ちを演じるのに少し疲れている…。そんな時、俺の目の前に現れたあいつ。絵に描いたようなおぼっちゃま・結城はなんと、庶民のこの俺に迫り、熱く口説いてきたのだ…! じょ、冗談じゃねえだろ、おい!? 描き下ろしあり!
amazonより引用)

おぼっちゃま×庶民。
激しく既視感のある少女漫画的設定だけど、大和先生持ち前のテンポのよさが光り、最後まで飽きさせない仕上がりになっていると思う。私がこの作品の中でもっとも好感を持ったのは攻の結城くんの迫り方。彼の口説き方って、結構まっとうだと思う。ちゃんと手順をふんで、相手に納得させようとしてるところが素敵。
BLの攻って、相手になんの了解もとらないままに、


お前は髪の毛一筋までオレのものだ……(恍惚)


みたいな所有物宣言をカマす攻が多いじゃないですか。それが私すごくイヤなんですよね。てゆーかもうそういう攻に飽きたんです。あと印象的だったのは、攻が受たんとの出会いを

衝撃的だった。

と語るところですかね。すごくいい台詞だと思います。
受たんの一家の人々もいい味出してます。大和先生は子どもを描くのが本当にお好きなんでしょうね。もっといい味を出しているのは攻の敵(?)役の和志氏です。いまだかつてこんなにマヌケな敵役がいたでしょうか?ここでみだりに受たんを総受状態にせず、和志×のぼる展開にもっていかないところが素敵です。『デキる男の育て方』でもそうですよね。畠山×和葉たんはにおわせなかった。むやみに受たんが総受状態になるのはあまり好みでないので、私としてはこういうの、すごく好感度があがります。下克上好きとしては、大和先生の描く、ビンボー攻×セレブ受も読んでみたいところです。