『抱きしめても怒りませんか?』/神葉理世

抱きしめても怒りませんか? (花音コミックス)

抱きしめても怒りませんか? (花音コミックス)

こんにちは。PandJのPの方です。最近ちょっと好きな人ができたんで紹介させて下さい。
神葉理世先生です。シンバリゼと読むそうです。なんでもシャンゼリゼから取ったとか。若干無理を感じますが、私はこういう名前の由来に弱いので(例えば最近亡くなられた超大物作詞家先生のPNは「悪友」から取ったそうです。これはあまりにまんまですが、こういう名前の付け方が好きです)、なんかもうそれだけでオッケイです。
漫画は特にものすごく好み!というわけでもないのですが、きちんと漫画の体裁が整っていて安心して読めます。絵柄もかわいいですし、普通に少女漫画を描いてもきちんと受け入れられる気がします。こういう方がホモを描いて下さるというのは本当にありがたいことです。受が基本的におこりんぼな感じも好ましいです。
あと、基本的に濡れ場を急がない感じが好きです。BLって「とりあえずやっとけ」みたいなノリが往々にしてありますよね。日本海荒波先生の『コンビニへ行こう』のごとく「あと5ページしかない!!さっさとやろうぜ!!!」と言い切ってしまうぐらいの勢いと開き直りがあればそれもまた良しですが(ちなみに出版社は光彩出版。流石)、なんかとりえあえず告白させて、その勢いで雪崩れ込むっていうのは情緒がないというか、そもそも人としてどうなのよそれ?と思わずにはいられないというか。実際に自分がそんなことされたらドン引きでっせ旦那。男性はどうなのか知りませんが、女はその行為そのものより、そこまでの過程に萌えるんです。小説の場合、過程だけで終わっていたらその本を投げ付けたくなりますが、漫画の場合過程で終わっていてもいいです。むしろいいです。同じようなことをジョーさんもよく言ってるけど、漫画は濡れ場なくてもいいや。だからこの漫画の表題作の第1話とか結構好きです。花音クオリティって感じですね。
基本的に短編集なので、普通に良いなぁと思える話からなんだかすっとこどっこいな話まで入ってましたが、どれも楽しく読めました。うん楽しかった。こう素直に思える漫画って意外とないので、ポールはとても幸せです。