『あかないとびら』/鈴木ツタ
- 作者: 鈴木ツタ
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2007/06/27
- メディア: コミック
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●ひとつめのお話
大学時代の先輩×先輩に片思いしていたゲイの後輩、のおはなし。一見大人しそうなゲイの後輩くんは実はフェロモン出まくりで電車に乗れば痴漢にあったり、某国斎さん状態で大変。先輩の手伝いをしてた同居人(男)もうっかりその色香に惑わされて手を出す始末。それを見てかっとなった先輩が、後輩くんにご奉仕を要求。先輩のことを好きなゲイの後輩くんは喜んでこたえるのだが……。
みたいなお話でした。うーん。大人しそうな受の、意外なまでのがっつきっぷりは面白かったですけど、どう考えてもこの攻はヒデぇし、優しくないし、いくら傍から見ればLOVELOVEなんだといわれても読者にそれが伝わらなければ萌えないよっ!というわけで、攻の受に対する引きっぷりに萌えを阻害されて消化不良感の残る展開だった。
●その次のお話
超イケメン大学生と、平凡な大学生のお話。これも攻に非常に癖があってですね、ちょっと疲れました。受の平凡な大学生くんは、悪いことは言わないから、この攻と付き合うのはよしたほうがいいような気がします。心理的に受の子をネチネチいじめる感じの攻がお好きな方におすすめしたい一品。
●最後のお話
平凡なサラリーマン×超美形年上コンビニ店員のお話。超美形コンビニ店員は実は36歳なんだけど、男相手に体を売ったりしていて、部屋も汚いし、生活能力はほぼゼロ。常識人の攻に出会ってこれから変われる…といいね、とは思うが、絶対きっと変われないだろうことを女の子なら誰でも知ってる。というわけでカップリングの未来の見えないお話でした。
通して見るに、私はやっぱり、攻が自分好みの格好よさを発揮してくれないと全然萌えないし、だめなのだと気づきました。攻に癖のあるパターンはちょっと苦手で、山田ユギ氏などが得意とする「単純な攻×小難しい受」パターンを愛好してきた私には、若干ハードルの高い1冊でした。でも、BLでいつもちがう気分を味わいたい人にはもってこいな作品かもしれません。