『出来の悪い子』三村家の息子シリーズ/明治カナ子

カバーイラストがかなりいい感じなので、書影が出なくて残念です。珍しい受単独の絵なのですが、綺麗だと思いました。私は明治カナ子さんの絵が好きです。好みのタッチかというとまた違うのですが、小さい頃からラクガキが好きで好きで描き続けてうまくなっていった人の絵って感じがして、それが超好ましいのです。ちまっとした絵がいちいちかわいいっていうか。いえ、ラクガキと言ってしまうと言葉が悪いのですが、漫画ってそこから生まれていくことも多いと私自身は思っているので。


受の子が環境の変化についていけずに不安がる様子が非常にリアリティがありました。猫に触りたくてペットショップに行って、もっとむなしくなる。塾で友達をつくろうとするけど、会話が続かなくて困る。友達ってどうやってつくるんだっけと焦る。私にもこんな寂しい経験がありました。

お兄さんの修羅場のバイオレンス描写が良かったです。



シリーズ1冊目『三村家の息子』が出たのが2005年の8月。2冊目が出たのが2007年4月かぁ。やっと続きが読めてとりあえず満足ですが、早く、早くこの続きを読みたいです。読者ってほんとうにわがままですね。早くあのエンピツの芯をとろかしたような絶妙な濡れ場が読みたい。次の巻に期待。