『Stepbrother』/榎田尤利

[rakuten:book:12044439:detail]
国枝彩香先生の表紙があまりにもいい感じだったので、つい購入してしまった物件。


再婚相手の息子が「アキ」だと分かった時点でその後の展開の9割が読めた。が、私はいわゆるオヤクソク的な展開は嫌いではない。むしろやおいでオヤクソクを破られることのほうにムカっぱらたつことのほうが多い。志の高い書き手の約束破りは痛快にも感じられるが、妙に奇をてらってアンハッピーエンドなどにされると、WRRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYと叫びながら暴れ出したい欲求に駆られる。やおいでまで哀しい現実、不幸は読みたくない。お約束最高。安易なハッピーエンド最高っ! などと思うわけだ。
しかしながら、あまりにもお上手にお約束、セオリーどおりの展開をされるというのもまた、フクザツな気持ちにさせられるものである。私にとっての本書がそうであった。なんというか、中身がない。言いすぎかも知れないけど、この本に関してはそんな風に感じてしまった。中身が薄い。いや、キャラが薄い? 展開に意外性が皆無? 私はこの受と攻以上に魅力的な榎田キャラをたくさん知っているし、この本以上に起伏のあるストーリー展開も知っている。そんなことを思っていると、この本の中に自分の萌えがつけいるスキはなくなってしまった。

この受がたまに関西弁交じりにまるところとか、多分萌えポイントなのだろうけれども不思議なほど胸にKYUNとこなかった。このエピソード以外も、一事が万事、そんな感じ。なんだか空回りの読書になってしまったのが寂しい。榎田×国枝コンビは相性がいい気がするので、今度はシャイノベルズあたりで組んで欲しいところです。