『しじまの夜に浮かぶ月』/崎谷はるひ

しじまの夜に浮かぶ月 (角川ルビー文庫)

しじまの夜に浮かぶ月 (角川ルビー文庫)

まさかのガイジン攻作品。なかなかいい攻じゃった。性格もやさしいし、常に敬語だし(年下攻じゃないけど)、内面もナイスなグッドルッキングガイでした。受はあんまりツボに入りませんでしたが、私の場合、攻がかっこよければそれなりに好みじゃなくてもやおいは読める。逆にいうと、いくら受が好みでも攻がかっこよくないと醒めちゃって読めないことがあります。印象的だったのは、途中、受がパーティーの席で皆の衆にショーゲキのジジツを明かしたシーン。かかなくてもいい冷や汗を掻きました。大変大変!あとはやっぱり、流暢な日本語を話すこのガイジンさんの攻が、たまに英語交じりで攻めるところが見所でしょうか。面白かったです。


最近のはるひてんてーは、ちょっと文体が、ムリになってきました。口癖が多すぎる気がします。「うつくしい」「じつのところ」「なおのこと」「どうでも」あたりが頻出ワードだと思うのですが、たまには言い回しを変えてみてもよいような気がします。せめて前文に出ている言葉は繰り返しを避けてほしいところ。あと出てくる女性の口調が怖い…。みんな友達になれなそう。ボーイズラブ作家のある種の特性は出てくる女性キャラクターに一番よくあらわれるような気がします。