『クリムゾン・スペル』1・2巻/やまねあやの

クリムゾン・スペル 1 (キャラコミックス)

クリムゾン・スペル 1 (キャラコミックス)

クリムゾン・スペル 2 (キャラコミックス)

クリムゾン・スペル 2 (キャラコミックス)

これまでやまね先生とは根本的に合わないものを感じていたけれど、これは面白かった。人外萌えの気がある人はチャレンジしてみて損なし。思うに、キラキラしく華のある画を描く漫画家さんは、地に足のついた現代モノよりこーいうぶっとんだファンタジーを描いたほうがハマるのかも。ファンタジーお決まりの主人公が触手に攻められるシーンも、これだけの丁寧さで描かれると説得力があります(個人的に萌えるか萌えないかは別として)。こういう展開って男性向っぽい感じがしますけど、腐女子にも需要あるんですかね。でもそれも「やまね先生(の綺麗な絵)なら」っていうところが大きいんじゃないでしょうか。私自身好みの絵ではないのですが、やはり人気漫画家だけあって、綺麗だなと思いました。

個人的に好きなのは、絵のタッチそのものより、ギャグの入るタイミングとセンスかしらん。地の絵とギャグ絵のギャップが大きければ大きいほど面白みが出ますな。以前読んだ甘野有記先生なんかはそこがむしろ受け付けないポイントだったのですが、やまね先生は漫画として流れがきちんとしているので無問題です。美形の攻がすっとぼけている様が和ませてくれます。台詞に入る手書きの突っ込み(?)らしきものも、親しみやすさがあって◎。アマゾンのレビューにも書かれていますが、作者のタッチと題材が上手いことマッチした幸せな作品だと思いました。