『貝殻にウォークマン』/松岡なつき

貝殻にウォークマン (角川ルビー文庫)

貝殻にウォークマン (角川ルビー文庫)

イケメンモラトリアム青年が南の島で現地の美少年と恋に堕ちるお話。93年に出版されたもう随分前のBLだけれど、レベルはかなり高いと思う。桃栗みかんの挿絵もセンシティブでかわいい。黒目がきらきらしている。あと、見開きで入る濡れ場の挿絵!インパクト大。ルビー文庫あなどれない。でも見開きで挿絵が入ると、出先で読むとき飛ばしやすいので非常に助かるには助かる。
小説としては、なんちゃって感なく南国のムードを伝えてくれるところがとてもよかった。タヒチの海は綺麗なんだろうなあああああ。あとモラトリアム期間のうざったさに腐ってるイケメン攻の目に、受たんがキラ☆キラと眩しくうつっている様子が実に上手く描き出されていると思った。この時代にしては濡れ場も頑張っているんじゃないかなァと思うんだけど、この時代のBLをそれほどたくさん読んでいるわけではないのでわからない。松岡なつきといえば、『FRESH&BLOOD』は面白いのだろうか。キャラ文庫だし、続きものだし、どうも手を出す気にならんのだが。

タヒチの碧い海。桜庭高志は、黒真球を採る少年瑞紀に出会った。「彼は、海に愛されているんだよ」―。そう、まさしくミズキは人魚のように泳ぎ、水と戯れた。ミズキに魅せられてゆく高志。海の色を映す瞳が、しなやかな肢体が、愛おしくてたまらない…。ミズキも高志に惹かれ、真珠母貝に語りかける。「僕は高志が好きだよ」。心ふるえるラブロマンス。