『ロマンスの王様』/水戸泉

ロマンスの王様 (Ovis NOVELS)

ロマンスの王様 (Ovis NOVELS)

大変にエロをがんばっていらっさる、水戸泉先生のデビュー作。1996年刊行ですか。ごく最近、ラピスmoreで上下巻に分けて復刊されましたな。そちらはなかなか大胆なカバーイラストでドギマギ。露出した臀部を描くとインパクトがすごいですな。以前、木原音瀬の某シリーズにおける金ひかるさんの表紙イラストにも目が点になった小生です。あれはさりげなく大胆なイラストだった。

この本は、ラピス文庫から出ている薔薇シリーズの原形です。薔薇を読んだ人はこれを読む必要はないけど、これを読んだ人は、薔薇を読む必要があると思う。テオドール⇒瀬名社長、リュウ⇒彬たんです。水戸泉お得意の、デムパ鬼畜攻×気の強い美少年受の組み合わせ。ほんっとこういうカップリングが好きなんでしょうね。

読んでてスカッとしたエピソードをひとつ。
このお話の受は、攻にいいように陵辱されまくって嫌だ嫌だ言っているうちに好き放題乱れさせられてしまうかわいそうな子なのです。3Pとか、ハードな展開もあるのれす。ですが、段々と攻の屈折した愛!に懐柔されていき、最終的にいじわるヌキでやさしく抱かれてしまうと、受たんもうメロメロに。口では素直になれないんだけど、攻がびっくりするような大胆なことまで、積極的にやってのけようとするのです(※ちなみにこのシーンはラピスのホームページ上で挿絵とともに読むことが出来ます。気になる方は是非)。

そう、攻がびっくりしちゃうのです。これが私なんかツボ。それまで受たんをさんざん翻弄しきってた攻が、受にビックリさせられてしまうのが。同様に、何でも自分の言いなりになると思っていた受に手のひら返されて焦ってる俺様過ぎる攻、とかもスカッとする。やっぱやおいって男への復讐のために読むものなのかな。なんか病んでますね、私。でもスカッとするんですよ。そーいうの…。

水戸泉のあとがきが大好き。

ロマンスの王様〈下〉truth (ラピスmore)

ロマンスの王様〈下〉truth (ラピスmore)

(こちらがフランス書院版。まだはまぞうに登録されていないみたいです)