『君のつく嘘と本当』/あじみね朔生

君のつく嘘と本当 (ショコラコミックス)

君のつく嘘と本当 (ショコラコミックス)

君のつく嘘と本当 (2) (ショコラコミックス)

君のつく嘘と本当 (2) (ショコラコミックス)

この漫画のタイトル、変じゃないですか? 「つく」って言葉は嘘にも本当にも係っているのかな。『君のつく嘘と本当の××』とかだったら、理解できるんだけれど。

弁護士×秘書の年の差公私混同カップル。あじみね朔生は挿絵で気になっていた人で、今回初めて漫画を読んでみた。だけど、やっぱり漫画はあんまり巧くなかった。遠野春日『人さし指に囚われて』の巻末おまけ漫画4ページを読んだときの私の予想は当たっていた。この人は絵にするのが得意なものとそうでないものの、完成度の落差が激しい。顔、というか表情を描くのが好きそうかな。ギャグ絵とシリアス絵のギャップもあって、唐突な印象。どうも、1本の漫画としてどうも統一感に欠けるように思う。

あと私が気に入らなかったのは、攻の髪の毛をベタにしてくんなかったところ。髪の毛がベタじゃないのに眉毛は濃く描いているから、まるで「キンパなのに眉毛真っ黒」なようで、あまり美しくないと思う。受が黒髪だから、ベタばかりで画面が暗くなっちゃうのを避けたのかな。カバーイラストを見ると、受は青みがかったような黒髪で、攻は濃いブラウンぽい感じだから、その対比を出したかったのかもしれない。でも私は、攻の髪も墨ベタのほうがよかったと思う。

作者のコメントでおののいたこと。この漫画の登場人物の一人に、「功(こう)」というファーストネームをつけていたらしい。それが、ルビの間違いで「いさお」とされてしまったらしい。で、そのままそれが定着してしまい、作者的には「今はいさおがしっくりきてる」とのこと。なんじゃそりゃ。普通名前の読み方は確認するだろうよ。やっぱ、エロ本の片手間にBL本を発行している出版社は信用ならないと再認識した。シャイノベルズ好きの私が言うのもなんだけど。

絵の雰囲気自体はとてもよかったです。特に受の表情と、攻の胸板が厚そうなところ。シーン的に一番好きなのは、2巻目、行為のあとに受の隣で、ちょっとマヌケ面をして攻が眠っているところ(笑)。あすこがなんか可愛くてよかった。