『嫌いにならないでね』/水森しずく

嫌いにならないでね (ECLIPSE ROMANCE)

98年の作品だったのかぁー。ふーん。これはとっても楽しい小説でした。地の文が受の一人称で常にテンション高いんだけれど、その子の性格がいい感じなのですんなり入り込める（ちょっと電撃文庫な雰囲気がしなくもないんだけど*1）。学園内ラヴレターもの（！）という古典的素材を扱っているんだけれど、先日読んだ高坂さんのとはセンスが違う。いや、「校内放送で恋愛相談→放送部員に告白」という流れも一瞬センスを疑うくらいには古典的ですが、この話はとにかくバランスがいいと思います。ヒットしたのも頷ける。気楽にBLを読んで、手っ取り早く幸せになりたい人におすすめです。
蔵王大志の挿絵のポップさも、BL度向上に一役買っています。ただ、巻末漫画に登場人物の名前の誤記があるのが気になるけれど…。編集さん、これくらい気づいてください。あと濡れ場の挿絵が不必要なほど大胆な構図で描かれているが、これは一体…！？一瞬ギョっとした。蔵王さんって、たまにこういうことなさいますよね。

*1:男性向けのライトノベルって、妙に「！！」が多かったり、テンションが高いイメージがあります