『情熱の温度』/木原音瀬

情熱の温度 (アイスノベルズ)

情熱の温度 (アイスノベルズ)

高校生のころ、どこかの部室に置きっぱなしになっていたものを友人が拾ってきて、そのまま借りて読んだBL。このころ私は「ボーイズラブ」の「ボ」の字も分かっていないころで、もしかすると初めてまともに読んだノベルズがこの作品なのかも知れない。
とにかくロマンチックじゃない小説だったのを覚えている。挿絵が山田ユギで、泥臭くも線がこなれていて、いい絵を描く漫画家だなぁと思った。
初めて読んだBL小説が、高校生×30なかば過ぎのおっさんの年下攻だなんて。別にこれで開眼してしもうたわけではないが、確かにいまのおいどんは年下攻愛好家である。この作品のイメージが強すぎて、今でも木原音瀬に人気があることに必要以上に驚いてしまう。いわゆる『お金がないっ』シリーズみたいな、最強ポップなBLじゃないから。