『ずっとずっと。』/石田育絵

ずっとずっと (Hertzシリーズ(12))

ずっとずっと (Hertzシリーズ(12))

おっと! これはいい漫画だね!
ずっとずっと気になっていた漫画家さんだったのだけど、昨日初めて手にとってみた〜〜〜。よかったよ〜〜〜。こういう安定感のあるホモ漫画、好きなんだよなー。序盤、「関西弁&受の名前が『三平』」つーことで雲行きアヤシゲな感じだったのですが*1、関西弁がすごく自然で逆にとてもよかったです。この間読んだ、志水ゆき先生の『是』の関西弁がちょっぴり不自然だったこともあってか、「オーナントスバラシー」と感動してしまいました。あとがきを読んでみると大阪ご出身の方のようで、なるほどなと思いました。こういうナチュラルな方言はいいんですよ。受たんの名前についてはわざとらしくない名前をつけたとのことです。ここまでらしくない名前だとむしろ萌えな気がします。
あとね、この方の描く受たんは妙に魅力的ですね。私服でチェックのシャツとか着てて、はーたまらんって感じ!! チェックのシャツにハァハァ。あとちょっと落ち込んだときの表情が、はーたまらんって感じ!! なんかわたし、沈みがちな受が好きみたい。暗い受たんが好きなのかな? よくわかんないんですけど。攻については、あとがきでご本人が「ここまでダメな攻は商業では描かない」と素晴らしい発言をなさっていますけど*2、どーなんでしょう〜。こういうニコニコニコニコしてる甘ったれタイプの攻も嫌いじゃないけど……。この攻、たまにものすごい冷たい目ぇしてて怖いんですよねー! 濡れ場になるとそういう目をしてる……! 鬼畜攻のかほりがした。目だけ見てるとこわい。別に受たんひどいことされないし、最終的にはいい人なんだけどさ〜〜〜。うーん。何はともあれ、ものすごく正しいカップリングでした。受たんの不器用さと、攻の時折見せる絶対零度な視線がうまいことからみあって、ナイスカップリングに仕上がってました。

難点を挙げるならば、想いが通じ合うまでの過程の描かれ方が若干性急な感じがしたことかな〜〜〜。なーんかダイジェストを見てるみたいでしたもん。これも発表もとが同人誌であったが故でしょか。プロセス重視のわたしとしては、ちょっぴり物足りなかったです。ここをもっとしっかり描いててくれればな〜〜〜。ま、いーんですが。

とりあえず今日は石田先生の既刊本を買いに行きます。前にアンソロで見たときは、全盛期のイシハーラ先生からシャープさをひいてごつごつさせた感じの絵柄の人だなーと思ってあまりぴんとこなかったのですが、この人の描く男性の裸は岩っぽくてとてもいいと思います。


全然関係ないけど、この作品みたいに、同人誌に加筆修正して発表されることがよくあるじゃないですか。そーいうとき、初出一覧のところに何年発表の同人誌かを明記してほしいんですよねー。すげー気になるんですよ。その漫画がいつ描かれたものなのか。

*1:方言萌え属性はないので。

*2:この作品はかつて発表した同人誌の原稿に大幅加筆されたものです