『爪先にキス』1〜2巻/不破慎理

爪先にキス 1 (キャラコミックス)

爪先にキス 1 (キャラコミックス)

爪先にキス 2 (キャラコミックス)

爪先にキス 2 (キャラコミックス)

2巻完結。なんとなくタイトルに惹かれて購入した。いつ攻が受たんの爪先にキスしてくれるかと思ってハァハァしながら読み進めたんだけど、結局爪先にキスするシーンはなかったような気がする…記憶違いか? まァいいや。
不破先生といえばエビリティ。ビブロス…じゃねえやリブレ出版がやたらリキ入れてる一大プロジェクト(?)の作画担当者様である。全体に描線が太く、絵柄がきっちりとした印象。私が惹かれるタイプの絵描きさんではないのだが、安定感のある作風は買いたい。ときたま全身を描くと、頭身がありえないことになってしまう点は気になるが。
さて、表紙からして、勝手に「年下攻のリーマンもの」と決め付けていたのだが(ただの願望)、どっこいヤクザもので、ふつーに攻が年上でした。ふーん。メガネの男性が受なのですが、一人称が「僕」なのです。これがなんかなじまなくてねぇ。私の感覚でいうと、この受の一人称は「俺」なのよ。で、攻の一人称は「オレ」ね。だからなんかしっくりこなかったです。「僕」……「僕」ねぇ。あんま僕って感じしないんだよな。ヤクザだから? わかんないんですけど。

いやー久しぶりにこんなにちゃんと受が浮気してるボーイズラブを読みました。ぐらっといくのもわかるけどさー、浮気はいかんだろ、浮気は。最後までしてるもんね。これは間違いなく浮気だな……。ボーイズラブの受って、基本的に「モテモテだけど貞操は攻様に捧ぐ」ってゆーか、揺れつつも浮気の最終形態までいきつかないことが多いじゃないですか。犯されかけても攻が助けにきたりとか。いい雰囲気になったら本命の攻から電話がかかってきて、受たんが「ハッ!」と我にかえったりとか。そーいうベタ
な展開が多いじゃないですか。だから、この受たんがあっさり別の年下男と寝てしまったことに、新鮮な印象を受けました。「あ、浮気してる。」と思って。浮気は微妙だなぁーーー。でもこの攻に対してはあまり同情はわかないな。それも不思議。全体的にさらっと楽しめる作品だからだろーか? カップリングも正しかったし、受たんの浮気相手の年下男の引き際も良かったので、★は3つで。キャラコミックスで「★4つ以上つけよう!」と思う作品に出会えるのだろうか。キャラは永遠の★3つレーベルかも新米。激しくは萌えないかわりに、激萎えの★2つもあまりなさそう。この漫画はドラマCDにもなるらしいです。人気あるんだなー。なんとなくキャラには売れ線の看板作家がいないイメージなのですが、そんなこともないのかも新米。