『振り返ればかなたの海』/崎谷はるひ

振り返ればかなたの海 (角川ルビー文庫)

振り返ればかなたの海 (角川ルビー文庫)

う・うーん。このシリーズは、シリーズが進むごとにカップリングに対する好き度が下がっているよーな気がする。いちばん初めのカップリングは私の好きなセレブ攻なのでお気に入りなんだけど、その次の大智×瀬里たんのカップリングにどうにも違和感があってねぇ……。私、はるひてんてーの作品は結構いろいろ読んでおりますが、大智さんって実は一番ひどい攻な気がする。そんなことないですか? 瀬里たんの弟さん×DJのカップリングのシリーズ三作目に、読みきり短編がくっついてたじゃないですか。あれを読んで、「この攻、ひでぇな」と思ったのれす。「浮気されたくないならこっちで自信つけてみる?」ってなんか違うと思うのです。5年後もあの二人がいっしょにいられる気がしないのです。攻がふらふらどっかいっちゃって、受たんがつらい思いをする姿が容易に想像つくのです。かーなーしーいーーー(想像で勝手に悲しくなるな)。
今回のお話は、その大智さんの友人が攻なわけなんですが……。う、うーん。はるひてんてーの感覚でいうと「ふつうの男の子」らしいのですが、元モデルでモテまくった過去のある男の子が「ふつう」だとは私にはあまり思えない……。ふつうよりちょびっと、思いやりに欠けるような気がしました。

まぁでもはるひてんてーの作品らしく、描写はあいかわらず丁寧で、よかったところもありました。普段すっげーーー外面がよいのに、受たんに対してだけはどうしても冷たい態度をとってしまう、というところとか。リアリティーがあってなかなかよかったです。最後にはふつーのラブラブカップルになっているところも。良かったね、受たん。この受たんには幸せになってほしいです。がんばったもんね。