『恋をしましょう』/西田東

恋をしましょう (バンブー・コミックス 麗人セレクション)

恋をしましょう (バンブー・コミックス 麗人セレクション)

かれこれ何週間かポールさんが更新しないから、もうここの日記は私ひとりで更新していくしかない?もうポールさんはやおいっ娘卒業?わたしひとり?地球上にやおい女はわたし一人なの…!?
なんて思いつめたりもしましたが(してねぇーよ)、西田東先生の作品を読むと、まだまだまだまだまだまだまだまだボーイズラブ読まなきゃなって気がしてきます。やっぱりわたしはこの人の漫画が大好きなのです。間違いなくいま日本で最も良質のボーイズラブ漫画を描いているうちのおひとりだと思うのです。
多くの人は西田先生は絵が巧くないというのだけど、わたしは実はそうは思わなくて、むしろ上手なほうなのではないかと思ってしまうんだけど、やっぱり世間的には「絵はヘタ」というくくりに入ってしまうのでしょうね……。確かにこの方のカラーイラストって明らかに色むらがおきてるんですよね。しかも商業誌じゃちょっとお目にかからないレヴェルの色むらが!!表紙でも色むらがおきてるんですよね。少し前に出た『もろとも』の攻のスーツの着色には若干めまいがしました!!でもそこがすき。そんなところがすきなのです。テクニックなんていらねぇよ、夏。そんなものクソ食らえ。心意気が伝わってくればよいのです。

と言い切るのはいささか乱暴にすぎますが、とにかく漫画の絵っていうのは、「それらしく見える」っていうことが大事なわけ。何の変哲もないハズの親父の笑顔が妙に可愛く見える(本書P46参照)。IT企業の若社長くらいに見える(本書P103参照)。カラーイラストをむらなくかき上げるよりも、こうしたひとつひとつを「それらしく」描き上げることが、作品全体の持つ説得力につながっていくのです。
ギャグ絵の持つ一見すると軽薄なまでの「軽やかさ」も見逃せません。この方の描くギャグ絵には岡田あーみんタッチにも相通ずるような絶妙の軽妙さがあって、わたしは一時期「西田東岡田あーみん」説を唱えていたくらいなのですが(さすがに今ではそれはないと思ってます・苦笑)、あーみん先生のように消えた漫画家にならないでいてくださることを願うばかりでございます。

表題作の「恋をしましょう」も相当好きなのですが、次に収録されている「DIRT」がかなり好き!!この攻かっこいい〜。終わり方もよかですな〜。この受たん(「受たん」という呼び方がここまで似合わない受たんもそうはいまい)、誰かに似ている気がするんだけど、全然思い出せない……。『ハンサムな彼女』の沖田さん?違うな。浦沢直樹作品に出てきた冷徹キャラ?違うな。全然思い出せないよ〜ん。

は〜何にせよスバラシー作品でした!満足じゃ。いつも思うけど、バンブーの帯ってテキスト過剰だよなァ。