『Jazz -Tango』/秋里和国

Jazz‐Tango (小学館文庫 (あA-23))

すげー。さすがベテランの方は基礎力が高いわぁ…。安定感があるよね。この漫画、もとはプチフラワーなんですね。それにも驚いたけれど……。いやはや、とにかく読了後「巧いなー」とうなってしまいましたよ。いや、巧いというのはなんか違うかなぁ。とにかく何かが絶妙なんですよね。この居心地の悪さが。ネタバレになるのが嫌なので以下に隠します。
内容的には本当に気持ちの悪いお話なんだけど、こういう「柔らかい、いかにも少女マンガな絵でドぎつい話を展開する」という作品に私はめっぽう弱いために、妙に感銘を受けてしまった。人によってはこの話をまったく受け付けない場合もあると思う。近親相姦、病気、友人の裏切り……気持ちのよい素材がなにひとつ転がっていない。
そこが好き。