『灼熱アバンチュール』2巻/有間しのぶ

灼熱アバンチュール 2 (ルチルコレクション)

1巻の感想を書いてないので1巻のこともまとめて書きます。1巻のあとがきで有間先生はBLにはまった瞬間のことを語っておられますが、激しくシンパシー！それまでまったく興味がなかったのに、突如稲妻に打たれたかのごとく何かにはまる瞬間ってあるよね！私もあるよ！日付まではっきり言えるようなジャンルが！恥ずかしいから言わないが！

寝食忘れ3ヶ月描きまくった。
こんな幸せ他にないと思った。

あっぱれ。有間先生は目覚めるべくして目覚めた人だ。ようこそいらっしゃいました、有間先生。おめでとうございます。やおいやBLの世界にはまることが本当に幸福なことなのかどうかは、私にも正直よく分かりませんが……。
そんなこんなで2巻なわけですが、健気っ子に弱い私としては和高くんがかわいそうでかわいそうで、どうしたら彼が幸せになれるか前巻から考えていたのですが、今巻で実は幼なじみだったということが発覚したタツオちゃんに幸せにしてもらうのが一番良いのではないかという結論に至りました。タツオちゃんからは不幸を呼ぶ男臭がプンプンするで本当は不本意なのですが、冠木よりは良い気がします。冠木には、ずっと和高のことを想いつつうっかり年増女に中出してしまいできちゃった婚というルートが似合うと思うよ（勝手な）。
この漫画は色々な人の感情が入り乱れているのに、どの感情も純度が高いので妙に透き通った印象があって、「わーきれー」と思って手を突っ込んでみると、透明に見えたところには実は水飴が満たしてあって、手にベタベタとまとわりついて離れてくれない、うお〜どうにかしてくれ〜、あ、でもおいしい、でもベタベタする〜って感じがします。絵はそこまで気にならないかな。かわいい絵なのにえげつない展開をする漫画は好きなので、有間先生の作風は好みですね。
展開がなんとなくBLっぽくない気がするんだけど「BLっぽい」「BLっぽくない」って何なんだろう？BL漫画って基本的に1話完結のお話が多いから、こういう風にずっと切れ目なく一つの物語が続いているというだけでBLっぽくないように思えてしまうのだろうか。じっくりと描かれたBL漫画、いいなあ。ユギたんにもこのくらいの長さで漫画を描いてみて欲しい。
ちなみにこれ3巻って出るの？和高の行く末を案じておいてなんだけど、これ以上続くとイタいことになりそうなのでもう続かなくてよいような、でも続きが気になるような。