『バロック・パール』/久能千明

カイたんが記憶退行を起こしてしまうお話です。肉体は青年のままで、少年時代の人格を宿してしまったカイ(イシス)が、三四郎に救い救われ、すったもんだする内容でおじゃる。
私はカイと三四郎のふたりが何だかんだと力を合わせ事件を解決していく種類の話が好きなので、今回の展開はあまりにカイのでも精神世界に突っ込みすぎていて、観念的な台詞も多く、ちょっぴり物足りなかったかも新米。でも物語の展開的に、こういうカイの過去に突っ込んだお話というのは必要なのかも。月人の生態がよく理解できました。カイがここまで無邪気な少年だったとは予想だにしなかったけど(笑)。なるほどねー。こーなってくると養父に引き取られた時のお話もどこかで入るのかな〜。私は「いま」のカイと三四郎の話が読みたいんだよ〜。と願ってしまうが、物語としては養父とカイの関係性はかなり重要なキーポイントとなるはずなので、まーそのうち出てくるんだろうな、養父。
近衛凱、やっぱりまた出てきたか!今後もこの人出てくるんだろうな。うむむ。アーイシャもグイド、サーシャもそのうち出てくるような予感がする。久能てんてー、割とキャラへの愛が幅広そうだから。グイドみたいに骨のあるキャラだ出てくると嫌でも物語が盛り上がるのでよいな〜。


今気になっていること。三四郎とカイはことあるごとに「この関係は愛とか恋とか、そういうもんじゃない」ってことを強調してますけど、じゃあ何なんですか。え、これがわかんない私って、このシリーズを99%理解できてない?!えーでもわかんない。お互いが必要だというのはすごくよくわかるんだけど。このふたりのカップリングには必然性を感じる。殺し屋イチの垣原じゃねぇが、おいらも必然性重視のやおいっ娘です。愛だの恋だのではないが一緒にいられる最高の相手というのがバディなのかなァ。その前にサーシャやサンドラの言っていた「あなたはバディというものをまったくわかっていない」という哀れみを帯びた思わせぶりな台詞も気になる。何なの、何なのよ、いったい!そのうちわかるよね。続きも気張って読むぞー!つーわけで★4つ。