『臆病な背中』/おのにしこぐさ

臆病な背中 (ディアプラス文庫)

臆病な背中 (ディアプラス文庫)

なんか書影デカくない?こんなもんだっけ?
初の本だそうです。めでたいことですね。ボーイズラブの明日を支えるべくがんばっていただきたい。
普通の大学生が普通よりちょっと悩みながら(やっぱ男同士だし)恋人同士になっていく様子が等身大に描かれていて好感の持てる作品だった。普通って大事。BL界の「普通」っておかしいもん。普通いいね。普通万歳。
ただこの大学生たち、遊びすぎじゃない?よう遊んでよう飲んでよう打ってるなあ。そんなに遊んでて大丈夫?とおばちゃん心配になっちゃったよ。普通の大学生ってこんなに遊んでるもんなのかねえ。この受くんはバイト代のほとんどを飲み会に使っているらしいが、バイト代のほとんどをオタクなことにつぎこんでいた私と生活パターンが違うのは当然のことかもしれん。なんか若さが眩しかった。
全体的に特に言うこともないんだけど、気になったのが攻の口調。クールキャラなんだけど、たまに言い回しがクールを超えて時代がかっておった。二人称「君」だし。かと思えば「フツウ」とか「ナイショ」とか「オトコ」とか「オンナノコ」とかカタカナで喋るからなあ。他の人物の口調が自然な分とっても気になった。まあ他の人物もカタカナでよく喋ってるのが気になるっちゃ気になる。カタカナって苦手だなあ。おカルい感じを出すために特定の人物だけに使っているならいいんだけど、どいつもこいつも使っていると作品全体が軽く感じられてしまう。あといくら切羽詰っているとはいえ熱を出してる受を襲っちゃうのは良くないと思う。あ、あともう一つ気になったのが会話の書き方。「俺、」みたいに読点で終わることが多くて超気になった。気持ちは分からんでもないがやっぱ変。……言うことないと言いつつ、色々言ってしまった。
でも好感の持てる作品でした。良かった。これからもがんばってください。