『饒舌な試着室』/鳥人ヒロミ

饒舌な試着室 (ビーボーイコミックス)

饒舌な試着室 (ビーボーイコミックス)

非常にコメントに困る作品である。「つまらなかった?」と聞かれれば「そんなことはない」と答えたくなるし、「じゃあ面白かった?」と聞かれれば「それもない」と答えたくなる。キャラにも魅力があるような、ないような。ギャグっぽいノリがあったかと思うと、妙にシリアスになってみたり、なんだかついていけない。読後のこのもやもやとしたスッキリしない気持ちはなんだろう? たぶん、私の好みとして、受の髪型がダメなんだと思う。こういう髪型の受は、誰が描いても確実に萌えない自信がある。どうせ短髪ならすっきりと前髪を上げてくれた方が、男らしくてむしろ萌える。
あとはやっぱり本物様な受がダメなのかな、私は……。修行が足らなくてすみません。私は「男とか女とかカンケーない! オレはおまえがおまえだから好きなんだー!!」なパッショネイトなノリが好きみたいです。こーいうちょっぴし小粋な作品はニガテ。そう、私は「一昔前のボーイズラブ」なノリが好きな女なのです……。あと受がクルマから裸でほっぽり出されるのがひどいと思った。すごく怖かった。

でも鳥人先生の作品はそーいう妙な冷えた感じというか、馴れ合わないような冷静な視点がいつもあって、安定感はすごくあると思う。そこは買いたい。絶対隷奴……じゃねえや、絶対零度な感じがする。

先に読んだミキヨウ先生の作品のノリが古くて熱くてわかりやすかったから特にそう感じたのかも知れない。この冷えた感じに居心地の悪さを感じてしまったのであった。