『ボーダー・ライン』/久能千明

ボーダー・ライン

ボーダー・ライン

「グレイ・ゾーン」シリーズの第二弾です。由利さんの過去編ということがわかっていたので、私は第三弾の『ターニング・ポイント』から読んでしまったのですが、順序的にこれを最後に読んでよかった気がしてます、なんとなく。
シリーズの軸はやはり亜久利さん×譲たんのカップリングで、由利さん×佳也さんのこの話はいわば寄り道な番外編、おまけに由利さんってば優男系で私服のセンスはキテレツが過ぎるしあまり好みの攻じゃないわ……、なんてまったく期待していなかったのですが。どっこいこれが超いい話でした。由利さん、できた攻過ぎる。お話の始まり方と終わり方が呼応させてあって、それぞれの情況の違いに胸がしめつけられるのであります。切ない……。切ない恋だよ、マジで……。
なんかもっといろいろと感想を書きたいんだけど、うまく言葉にならないです。ただ思ったのは、好みのカップリングじゃなくても、カップリングとして正しければ気持ちよく応援できるなぁということ。最近よく思います。あとは、ホモ漫画もいいけどやっぱりホモ小説もいいなぁということ。最近漫画ばかり読んでいたけれど、小説もいいですね。「面白すぎてページをめくる手がとまらないよォ〜〜〜」感が長く味わえるのがいいです。良作を読み終えた後のこのたとえようもない達成感は小説でしか味わえない! あとやっぱり小説に挿絵は必要。とりあえず蓮川先生とおおや和美先生の挿絵は必要(笑)。