『おヨメに行きます!』/夢乃咲実

おヨメに行きます! (ビーボーイノベルズ)

おヨメに行きます! (ビーボーイノベルズ)

スットコドッコイなBLが読みたくて、○ックオフで購入した一冊。なんか斬新だった!すごかった!これは現代の民話だ!!
あらすじはというと、俳優になるべく家出をして自活する受たんは金欠のあまり「71歳男性の花嫁募集・性別不問」という胡散臭いことこの上ない求人広告に応募します。肝心の夫は昼間は絶対に姿を見せないのですが、夜だけ受たんのベッドに忍んできてやることやります。この時、電気は絶対に点けてはいけないと夫に言われるのですが、これって神話やヨーロッパの民話によくある型の物語なんですよ。作品内でも紹介されてるけど。それをこんなポップな形で現代に蘇らせるなんて!すげーすげー!目から鱗!なんかボーイズラブの可能性を感じた。感動した!(某首相風)

でも萌えなかったから星二つ。

受の一人称で物語は進むんだけど、ちょっと元気が良すぎるんだよなあ。「!」が異常に多かった。「視界が真っ白に染まる!背骨がきしむような快感!」という実況は正直どうかと思う。なぜかジョジョの「震えるほどハート!燃え尽きるほどヒート!」という名言を思い出してしまった。濡れ場で波紋のビートを刻まれてもまいっちんぐマチコ先生なのだよ。名前も顔も分からないとはいえ、攻のことを「オット」とカタカナで呼ぶのも微妙だった。

そういえば私はBLに限らず、小説や漫画に出てくる作者オリジナルの雑誌名やTV番組名や会社名やバーの名前なんかにものすごく注目してしまう。こういうさりげないところに作者のセンスが一番分かりやすく発揮される気がするんだよね。求人広告の載ってたタウン誌が「ぶらりたうん誌」という名前だったんだけど、これはありそうでなさそうな絶妙のネーミングだと思う。合格。