『権力の花』/榎田尤利
- 作者: 榎田尤利,新田祐克
- 出版社/メーカー: 大洋図書
- 発売日: 2005/07/04
- メディア: 新書
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正直新田祐克アニキの挿絵ってどうかと思う。どんな歌であろうと尾崎紀世彦が歌ったらまるで尾崎紀世彦自身の歌のようになってしまうように、どんな小説であろうと新田アニキが挿絵を描いたらアニキ色に染まってしまう。そもそも新田アニキって濡れ場になると結構革命的なアングルをバシバシ描くから、そういう意味でも向いていないと思うのだが……。
ただこの作品の場合、榎田っちが力のある作家さんだから新田アニキに押し潰されることなく、むしろ拮抗した力を持つ両者のせめぎ合いが愛憎渦巻く検察界を舞台にしたこの作品の緊張感を必要以上に盛り上げていた気がする。アニキの絵のおかげで受の男前度が5割くらいアップしてるよなあ。本当はもう少し線の細い人なんじゃないかしら?蓮川先生あたりが挿絵を描いていたら、まったく作品の印象は違っていたことだろう。私は受にも男らしくあって欲しいので、アニキの挿絵でよかったのかもしれない。
思想検察制度という架空の設定がこの物語の中心に据えられているのだが、こんな国こわーーー。政治家やおい本とか出した日には矯正施設入り間違いなしだわ。ガクブル。核を持った軍事政権が勃興して独裁政治でも始めない限りこんな国には絶対ならないだろうけどね〜。なんか不思議な設定だったな。
で、こういう気障な台詞を臆面もなく言う攻は好きです。受たんは超クールビューティーでなかなか良いカップリングだと思う。ただ病気という設定はあまり好きじゃないんだよなあ。難しいよね。そんなワケで星三つなのです。