『嫁に来ないか』/新也美樹

嫁に来ないか (GUSH COMICS)

嫁に来ないか (GUSH COMICS)

「嫁=攻」がテーマのるんたった新婚コメディー漫画。初めてこの漫画家さんの本を手に取った。というかこのレーベルの漫画を手に取った。購入の決め手はやはり「嫁=攻」というその逆転の発想に強い共感を覚えたからだろう。そうそう、「嫁=攻」なんだよ。それにしてもこの攻、押しかけ女房にもほどがあるな。攻の笑顔がちょっと泣けるところが好き……。無駄にガタイいいし。押しかけ女房されたあとに、この攻が受たんの勤める会社の社長の息子で自分の上司だった、ということが判明するという、実にボーイズラブ的な展開が待ち受けているのだが、その設定自体はいいと思う。この攻たん、ウキウキしちゃって可愛らしいし。
でも受たんを自分付きの秘書に指名してしまうのはどうよ?!としか思えない。ちょっと公私混同が過ぎるのではないかね?嫁クン。でも会社のなかではまったく割り切れてない風なのに、家庭に入ると妙にプロ意識のある嫁に豹変してしまう攻たんはけっこう好き。「家庭じゃなくて仕事で割り切れよ」と突っ込みのひとつも入れたくなるのだが、まぁボーイズラブだし、細かいこと気にしててもつまんないですから。

全体的に好感の持てる作品には違いないのだが、いまひとつ「嫁=攻」という斬新な題材の魅力を引き出せていなかったように思うのはなぜなのだろうか。それはきっと、この受たんがあまり私の好みではなかったからだと思う。もっとこう、真面目1本、受け1本!みたいな一本ギイ(タクミくんシリーズ参照のこと)な青年にした方が、攻のるんたったっぷりが際立つと思うのですよ。この受たんはふっつーなところが好感持てるけど、もうちょっとこう、はじめのうちは「頑なさ」がほしかった。というわけで★は3つ。今後は絵の安定感にも期待したい。ただ、目次ページのフォント使いは★5つ。デザイナーグッジョブ。