『恋花は微熱に濡れる』/崎谷はるひ

恋花は微熱に濡れる (ダリア文庫)

恋花は微熱に濡れる (ダリア文庫)

読み方はおそらく「れんか」だと思われる。>ポール 同じ日に同じ作品について更新するのを一回やってみたかったのでやってみた。
崎谷先生の作品はいつも受攻ふたりのLOVE度が激高い。その煽り煽られの凄まじい盛り上がりっぷりはBL界随一と言ってもよいほどだと思う。文章も安定していて、毎回楽しませてくださる作家さんである。私はこの方の作品の「とにかく盛り上がってる感じ」が好きなのである。だがしかし、この作品は何だか妙だった。もちろんポジティブな意味合いの「妙」ではない。出てくる要素一つひとつがなぜかしっくりこない。いつもはこんなことないのに、はるひてんてーなのに、ナゼ?! 結局のところ疑問符の洪水におぼれたままこの本をとじることになったのだが、一体なんだったんだろう。今でも思い返すと不思議である。
萌えられなかった原因を考えてみると、

  • 年下攻じゃないこと(はるひてんてーの年上攻なら、こういう野性味の溢れた人よりも志澤さんタイプのかっちりした人の方がいいと思うの)
  • BLに出てくる「病気の受」があまり好きじゃないこと(病気はかなりうまく、かつ慎重に料理しないと感動にも萌えにも結びつきにくい)
  • 気の強い受がニガテなこと(はるひてんてーの受はいつも強気というより「芯がしっかりしている」という感じなのに、今回は「気が強い」ことが全面におしだされいて戸惑った)
  • 挿絵があまり作風に合っていないような気がすること(冬乃先生はたぶん和風テイストじゃない方が合うと思う)
  • はるひてんてーの作風は和風より洋風に合うこと(こちらも洋風テイスティーがよいような……)

このへんの私の好み・考えが作用して、不完全燃焼のまま終わってしまったのだと思います。というかそもそも、私自身がそんなに着物とか興味ないからダメだったのかな? 普通の服でいいじゃん、と思ってしまう。うーん。この作品についての見解がポール氏と一致したのは何だか嬉しかったです。確かにパンツは大事。新田祐克先生の作品を読んで、パンツについての見識を広めるべき。