『饒舌な試着室』/鳥人ヒロミ

饒舌な試着室 (ビーボーイコミックス)

饒舌な試着室 (ビーボーイコミックス)

人気のある漫画家さんである。が、私には鳥人先生の漫画の魅力がいまいち分からない。今まで出会った作品が良くなかったのかどうもしっくりこないのである。それでも褒めている方が多いので悔しくて読む(私は自分の好きなジャンルに関しては、他の人が良いと言っている作品の良さが分からないとものすごく悔しくなってしまう)。読んでも魅力が分からない……。そんな私と鳥人先生のラブゲームはこの作品を読んでもやっぱり決着がつかなかった。真性ゲイな受が駄目なのか、がむしゃらな攻が苦手なのか。兎にも角にも私の心の琴線に触れてくれなかったのである。
カップリングの好み以前に、そもそも私には鳥人さんの漫画の演出の仕方やテンポが合わないんだよな、多分。結構根本的なところに問題があるのだと思う。それは分かっているんだけど、鳥人先生は一回スパーーンとはまれば心の漫画家になってくれそうな気がするので、折を見てまたきっとチャレンジしてしまうのだろう。
鳥人先生は些細な描写にはっとさせてくれることが多いんだけど、今作では受の人が攻の人の局部を拭いてから舐めていたシーンに妙に感動してしまった。そうだよね。シャワー浴びてないのに舐めるって汚いよね。BLの世界では逼迫感を出すためにシャワーを浴びないまま突入してしまうことが多いけど、やっぱ拭くぐらいはするべきだと思う(かといってそれがBL界の濡れ場の主流になったらそれはそれで嫌なんだが…)。
最後に入ってた「弟のユウウツ」という短い話は結構好きです。