『しなやかな熱情』/崎谷はるひ

しなやかな熱情 (幻冬舎ルチル文庫)

しなやかな熱情 (幻冬舎ルチル文庫)

すごかった。何がすごいって、濡れ場になった瞬間の受たんの豹変っぷりがすごかった。普段は水戸っちの美少年受のごとく元気過ぎるくらい元気な明るい受たんなんだけど、ベッドの上では突然娼婦に豹変。本当に突然で、しかも本当に豹変という言葉がしっくりくるような変わりっぷりで、思わず「処女と少女と娼婦に淑女〜〜〜♪」とHow Many いい顔@ヒロミゴーを歌ってしまうくらいの衝撃を受けた。どんだけ別の顔持ってるのよ。いや、その設定自体は別にいいんだけど、もう少しそういう伏線(?)を分かりやすく張っておいて欲しかった。あまりに突然で本当にびっくりした。すごいと言えば表紙もすごい。まるで任侠もの。でもこういうハッタリの効いた表紙は好きだな。派手だけど蓮川愛先生だから上品だし。


同時期に発売された『恋花は微熱に濡れる (ダリア文庫)』は微妙だったけど、これははるひてんてーの本領発揮ですね!なんてったって濡れ場の弾けっぷりが違いますもの!非常にはるひてんてーの作品らしく受と攻が華麗にすれ違うお話でした。「ちゃんと言葉で言わなきゃ心は通じない」というのははるひてんてーの永遠のテーマなのでしょうか?そんなに多く読んだわけではないけど、言葉が足りないせいですれ違ってしまう話が多い気がする。コトの最中に受攻限らずよく心の中で実況中継をしているのはそのせいかな?(たぶん違う)そしてきちんと話し合って思いが通じ合った途端、受の感度がなぜか10倍に!というのが王道パターン。はるひてんてーの攻はそんな変化を喜んでいるが、私が攻だったら正直引くかもしれない。


それにしても分厚かった。今日は横浜で地震があったとかで電車が動かず、30分で帰れるところを2時間かけて帰ったのだが、この本と一緒にいたおかげでまったく苦にならなかった。分厚くてよかった。ありがとうはるひてんてー!