『ラブロマンス・スウィートキス』/夏水りつ

ラブロマンス・スウィートキス (花音コミックス)

ラブロマンス・スウィートキス (花音コミックス)

花音のリーマンラブ代表・夏水さんの新刊でごわす。すべてハッピーエンドなので、安心して読める感じが嬉しい。こういうの読みたい日もあんのよ。癒されんのよ。それはそーと、すっげー絵が変わっててびっくりしたよ! 『恋愛バスストップ』のようなマーガレット路線〜ときどき佐々木倫子風〜を期待したいたけれど、何だかすっかりBLしてしまわれて……。エロ度の上昇ってBL度の上昇と超ニアリーイコールだよな。なんでだろ。
相変わらず線にぎこちなさがあるけれど、登場人物たちの内面的不器用さに合っているのでいいと思う。どの作品もそれなりに楽しめたし、好感の持てるお話でよかった。ただ、甘いもの嫌いの攻たんが受にお菓子をあげるお話(今手元に本がないのでタイトルが分らないがあとで補足します)で、受が「オレなんて特別でもなんでもなかったんだ」とショックを受けるシーンは、若干大げさ&演出が唐突に感じられた。そういうの、気になるんだよな。この話、どことなくユギたんっぽい。前作『恋愛バスストップ』におさめられていた年下攻ものもユギたんっぽかった気がする(酔っ払ってキスしてなしくずしに体の関係を結ぶんだけど本気で好きになっちゃってどうしよう、みたいな話)。
いちばん面白かったのはあとがきかもしんない。甘味屋さんに男ふたり、いいですね。
もう少し絵柄に安定感が出てきて、攻のかっこよさが際立つようになると、★が4つになる気がする。攻も受もすぐ赤面するところがかわいいんで、このハッピーエンド・リリカルリーマンラブ路線を走り続けてほしいと思います。