『家賃』/月村奎

家賃 (ディアプラス文庫)

「なんだかいつもと違う」と違和感を覚えながら読み進めていたのだが、続編の「家賃＋α」を読んでその謎が解けた。本編の「家賃」は月村てんてーに珍しく攻視点で話が進んでいたんだ。続編で受視点に切り替わったのでやっと気付きました。月村てんてーで攻視点ってあんまりないよね？『おとなり』がそうだった気がするけど。攻視点もなかなかいいんじゃないかな。月村てんてーの攻って受たんに結構ハァハァしてるから攻視点だと燃える。ただ個人的な好みとしては最初に受視点で後から攻視点の方が好き。

それにしても月村てんてーは良いの〜〜〜〜う。ワシは月村てんてーの作品の想いが通じ合うシーンを読んどると、ときめき過ぎて爪が全部もげ落ちそうになるんじゃよ。ワシの中にもまだそんな甘酸っぱい感情が残っていたのかと思うと驚き桃の木パパイヤ鈴木じゃ。ちなみにワシャ高校生BLもまだまだイケるぞい。生涯現役じゃ。ただ私は月村てんてーの受だったら優等生っぽい子の方が好きなのじゃ。『そして恋がはじまる』のミキティみたいな子とかたまらんですばい。まあどんな子でも月村てんてーの受は結局頭の良い（勉強ができるという意味でなく）健気な子なんじゃがのう。和哉たんも良い子じゃった。

そんな黄門様キャラ（黄門様だったのか？）になっちゃうくらい月村先生の小説は好きです。日本語が綺麗なんですよね。この人はBLじゃなくても生きてゆける気がする。行っちゃやだけど！たまに書き下ろしで入っている女の子メインの話を読んでいると、自分が何を読んでるんだか見失いそうになります。そういう話ばかり集めた本だったら山本文緒や唯川恵あたりと並んでいてもまったく違和感がないと気がする。山本文緒も唯川恵もあんまり読んだことがないから勝手なイメージの話なんですが。

『家賃』というタイトルは確かにびっくりだった。なんかね、もっとあるじゃんね『同居の条件』とかすごく月村作品っぽいタイトルじゃない？『家賃』ねえ。別にいいけど。カラー口絵が静かな雰囲気で好きです。ディアプラスって本文からの抜粋が口絵に入らないのね。今気付いた。それだけで随分羞恥度が下がるわあ。あと個人的に鹿住槇とやまかみ梨由、月村奎と依田沙江美という組合せは超ナイスカップリングだと思います。一度見てみたい組合せが水戸泉と寿たらこ。