『レシピ』/志水ゆき

レシピ (スーパービーボーイコミックス)

レシピ (スーパービーボーイコミックス)

「あ、『LOVE MODE』の作者さんだ〜表紙ピンクだ〜SBBCだ〜買お〜」と軽いノリで手に取ったら思いのほかダークでずずーんだった一冊。表紙ピンクなのにダークって!『レシピ』なんてちょっと愛らしげなタイトルなのにピアッシングって!ピアッシングとか苦手なんだよ〜。なぜだろう。お耽美なカホリがするからかしら?あ、でもよく見たら表紙の洸(こう)たん、赤い紐で縛られてるね。気づかなかったな〜。こんなところにさり気なアピールがあったなんて。

作者ご本人がおっしゃっているように、将来はリバになるであろう予感アリアリな表題作が、テーマ的に重い。いやーこちとらPOPなBLを期待してて覚悟ができていなかった分、必要以上に重く感じてしまったよ。志水先生の絵はやたら描線が細くて、こう、先を鋭くとがらせた石でキリキリと紙に描きつけているような神経質さを感じるんだけど、こういう痛々しいテーマには合うかも知れないね。それにしても絵柄が洗練されましたな〜。美形が美形っぽく描かれてるよ〜。私の中で志水てんてーは「人気もあるし話も面白いんだけど、恐ろしく絵柄が不安定な漫画家」カテゴリーに長らく入っていた人だったので、ちょっぴりうれしい驚きでした〜。相変わらず身体と顔のバランスが変なところはあるんだけど。攻たんのルックスが綺麗だけど柔らかくていい感じ。中身とのギャップもあいまってつかめない雰囲気がよく出てる。なんかイイ。でも「カイヤ」って名前はどーかと思う。「カイヤ」といえば「マヨ」だろう。
表題作「レシピ」の次に収録されてる「死んでもいい」は攻のカイヤたんのお友達(?)のお話。その次のお話はそのお友達彼氏の元彼氏のお話、という風に、この本はキャラ同士が関連してお話としては独立している短編で構成されてます。



志水てんてーはカタギじゃない人が好きなんだろうなあ。もしくは「カタギに見えない人」。