『ダメな男ほど愛しい』/ユキムラ

PandJ2006-01-09

ダメな男ほど愛しい

ダメな男ほど愛しい

タイトルまんま「ダメな男」をテーマにした短篇集で、エロ度が低めなのが逆に好ましかった一冊。だって松文館の作品なのに!!ちなみに小生のユキムラてんてー初挑戦作品。
表題作の「ダメな男ほど愛しい」が一番好きかな。リーマン・ツンデレ・年下攻・ヘタレ攻、ここいらの萌え要素がつまった楽しい30ページです。
「何となく嫌な夜」のカポーが、ぱっと見では受攻の判断がつかない感じで好き。このタイトル、歌詞か何かで見覚えがあるのだが、斉藤和義の歌であったかしら?作品のタイトルを歌詞や曲名からもってくるBL作家さんは多いけれど、きっと歌詞を聴きながら萌えCP妄想をする習慣があるからなのでしょうね。と私は勝手に思っているのだけれどどうだろう。というのも、遠い昔、創作活動の経験のある人に「歌詞を聴いてるとついハマり萌えCP妄想しちゃってとまらないんです」と告白したとき、「そういう人は創作に向いてますよ!」といわれたことがあるからなんだけど。

幼稚園の先生とのLOVEを描いた作品で、職場でいたしてしまうのはちょっといただけないと思った。そういう公私混同はよくないと思う。一応、子どもを相手にする職業なんだし、モラルとか大事だよ。相手に無理強いされてというならまだ納得できるんだけど……。いやー雰囲気に流されないやおい女ですみません。やおいってそういう公私混同多いんだよなー。職場でサカる攻をどうにかしてくれ〜。社長室で受たんに無理やり迫る攻たんをどうにかしてくれ〜。と思ってしまう。別に社内恋愛が悪いというわけでは全然なくて。


全体的に、まだこの作者さんは広く大衆を意識して自分の萌えを一般化できるところまでいってない気がしました。同人的なノリがあるというか。絵柄が少し不安定なのも気になる。でも萌えというのは本来閉鎖的なもので、狭い範囲のダメな男スキーのかたがたにスマッシュヒットすれば、それでよいもののような気もいたします。

とにかく、ユキムラてんてーの「ダメな男」に対する愛が伝わってくる一冊でした。
(ちなみに上の見づらい画像はカバーをはずした表紙にあった楽しいお遊び。お部屋の間取り図が描かれていて、これがどの作品に出てきたお部屋か当てるというクイズ形式になっている。こういうのがあると定価の倍払ってもいいと思ってしまう)