『欲望少年』/直野儚羅

欲望少年 (バンブー・コミックス 麗人セレクション)

欲望少年 (バンブー・コミックス 麗人セレクション)

最近私生活がストレスフルなのでここは景気良く読んだことのない漫画家さんの漫画でも読むか!と勢い込んで買った一冊。書影が出ていないのだが、表紙が結構雰囲気のある絵で良い。タイトルとマッチした欲望で悶々とした感じの少年の表情のアップ。ちらっと中を見ると受攻共に結構ガタイが良く裸体の影の付け方に超気合いが入っているのもこだわりが感じられて好感度が高いが、こういう体を描くならもう少し目を小さく書いた方が良いような気がする。とりあえず読んでみる。


しかし読み進めていくうちにじわじわとストレスが……。だってさ、この表紙の男の子ってどうみても○じゃね?濡れ場始まって4ページ目まで私は彼が○だと信じて疑わず、5ページ目で「ア・アレ…?」と雲行きが怪しくなり、6ページ目で魂抜けました。うそーーん。思えば私は今までBLを読んできて「このカップリング萌えないなあ」と思うことはあっても「これ逆だなあ」と思ったことはあまりなかった。『SEX PISTOLS』の米国は受でもイケるんじゃない?と思ったくらい。それはとても幸せなことだったのかもしれない。


2作目からはどちらが攻かで疑心暗鬼の嵐。「こっちが攻?それとも受?いやでも普通に考えてこっちだろう」と思ったところ外れる。そんなバナナ!(ショックのあまり死語が。)ストレス発散のために買ったのにものっそいストレス溜まるんだが…。確かに私はBLにドキドキとワクワクを求めている。しかし、こんなドキドキはいらん!3作目は突然SEX PISTOLS系のファンタジーになってポカーン(でもこの攻かっこいい)、4作目は穿ち過ぎてまたまた受攻を外し、唯一安息できたのが最後の5作目だけでした。これは正しいよ。これが正しいと思う私は間違ってないよね?


そんなこんなで人との好みの違いというものをまざまざと見せつけられた一冊でした。オタクだって色々咲き乱れているのだな。あとこの漫画家さんの名前の読み方が分からなかったのだが、奥付に「BOHRA NAONO」とあるってことは「儚羅」で「ぼうら」と読むのか?字面が綺麗なのになんだか勿体ない読み方だ。