『泣きべそステップ』/鹿住槇

泣きべそステップ (キャラ文庫)

泣きべそステップ (キャラ文庫)

表題作は「泣きべそステップ」、続編が「笑顔でジャンプ」と「おまけのスキップ」という90年代前半のコバルト文庫のようなセンスに思わず「いけいけゴーゴージャーーーンプ!」(BY.野々原姫子)と飛び跳ねたくなった一冊。このセンス、これぞ鹿住てんてークオリティ。鹿住てんてーには「BL界の水沢めぐみ」という称号を個人的には差し上げたい。


鹿住てんてーの作品はそのタイトルのノリに反して意外とシビアな設定のお話が多いのだが、これはタイトルのままリリカルポップなお話であった。私はBL小説には100ページ以内に1回、中盤に1回、ラスト近くに1回と合計3回は濡れ場(最初の2回に関しては未遂等それに準ずるものでも可)があって欲しいという汚れた人間なので、やや物足りなかったくらいである。それとちびっこが出張る話はあまり好きではないということもあり、評価は低め。ただ基本的に鹿住てんてーは上記のわがままで汚れた要求をかなりの確率でうまいこと成立させて下さる。だから好きです。


挿絵はやまかみ梨由先生。鹿住てんてーにやまかみ梨由ってドラ焼きと牛乳くらいナイスな組合せだと思う。ドラ焼きって牛乳と一緒に食べるとめちゃくちゃ美味しいですよね。