ランブル・ラッシュ/藭室晶・高緒拾

ランブル・ラッシュ (JUNEコミックス ピアスシリーズ)

ランブル・ラッシュ (JUNEコミックス ピアスシリーズ)

もんじゃ焼きと高級フランス料理のフルコースが1つの食卓に並んでいるようなごった煮感が魅力的な一冊。この本は口絵が良い。とにかく口絵が良い。いくら眺めても一分の隙もない。二人の表情、顔の角度、肌の色合いの違い、服の皺の寄り方、受の尻の盛り上がり方等すべてが完璧でうっとりしてしまう。が、ページをめくった瞬間に目に飛び込んできた漫画絵とのギャップに唖然。櫻井しゅしゅしゅの漫画にトリップしたのかと思った。


短編5編+書き下ろしおまけ漫画1編という構成なのだが、最初の2作は職業もの。どちらもとって付けたようなハッピーエンドだったのだが、「職業もの」+「とって付けたようなハッピーエンド」ってシチュエーション重視でやることやったら後はわりとどうでもいいという感じが猛烈に男性向けっぽいと思う。電車なだけに連結というノリも男性向けっぽい。「ハイスクール・メイズ」にもそのきらいがあるかな。原田君のことが何も解決していない気がするのだが、あれで終わってしまって良いのだろうか?この単行本の漫画にはどれも濡れ場に妙な達成感があるのでこちらとしてはなんかもうどうでも良いのだが、もう少し掘り下げたそうな終わり方をしていたので続きがあるのなら読みたい。


最後の2編「潮騒」「STAY」はシリアス路線だが、この作者の方々は絶対この路線の方が合っていると思う。絵柄とストーリーがベストマッチング。このお二人はかなり物語の世界観を作り込んで描いているような気がするので、どうせなら単行本丸一冊かけて超ド級に切なくてやるせなくてどうしようもない話を描いてみて欲しい。


アンケート葉書に「好きなキャラクターに熱烈なラブレターを書いてね!」という斬新な項目があったので、「飯島課長が大好きです☆あのダンディなルックスに変態な性癖というギャップがタマリマセン!でも私、飯島課長は本当は受だと思うんです。表紙の課長ってば超エロ過ぎますし。なので、いつか『Dr.H!』に登場するハーブドクターと出会って乱れまくってしまう飯島課長のお話が読みたいです(はあと)」と書いて投函しようと思ったけれど、人の本なのでやめた。飯島課長のキャラは結構ツボ。ああいう面白い人は好き。