『極・艶』/日向唯稀

極・艶 (ラピス文庫)

極・艶 (ラピス文庫)

あとがきの「開いても開いてもエロ」という言葉に惹かれて買った一冊。なんかそういう気分だったんだよ…。しかし実際に読んでみるとそこまででもなかった。ラピスなのに。こういう時は水戸泉てんてーにあたるべきか。


とりあえず極道モノなのに攻の台詞の語尾に(はあと)が付くのはいただけない。私はBL小説に文体がどうこう言うつもりはさらさらないし、そもそも求めてもいないのだが、最低限のレベルは守っていただけないと少々辛い。他に気になったのは「そこは読点でよくない?」というところにバシバシ句点が使われていたこと(最初は誤植かと思った)と、攻が「萌える」という言葉を使っていたことと、逆接の言葉の使い方を間違えていたことと、やたらめったら台詞に「っ…」というフレーズが使われていたことだろうか。文章に引っかかると添削欲に駆られて内容にまったく集中できなくなってしまうので、途中からは斜読みになってしまった。


ただ最初の方にあった刺青話がなかなか興味深かったことと、攻の一物のことを大真面目に竜王の使い」と表現していたのが妙にツボにはまってしまったことから星2つ。


この作品、レーベルはラピス文庫なのだが帯だけはプラチナ文庫のごとくキラキラしていた。ラピス文庫はリニューアルしてf-LAPISとLAPIS MOREになったらしいが、プラチナ文庫を含め作品の住み分けがいまいち不明である。どれもあまり変わらないような気がするのだが…。全体的に装丁がレアカードのごとくキラキラするようになってきていて、ただでさえフランス書院の本ということで買いにくいのにその買いにくさがますますパワーアップしつつあるように思える。プランタン出版(フランス書院)のボーイズラブの売り出し方が今後どういう方向にエスカレートしていくのか、楽しみなようでもあり怖くもある。