『花というよりもキス』/猫田リコ

花というよりもキス (バンブー・コミックス 麗人セレクション)

花というよりもキス (バンブー・コミックス 麗人セレクション)

猫田リコたんはあとがきのせいでなんか貧乏そうなイメージがあるので新刊が出ているととりあえず買ってしまう。いや普通に好きだというのもあるんだけど、猫田リコたんともんちっち(門地かおり)と水戸泉てんてーの本を買う時は「この印税でおいしいものでも食べて下さい…」という祈りを込めて買ってしまう。


猫田リコの長編を読んだことはないが(描いているのかどうかも知らないが)、この人は短編向きな気がする。なぜならば短編を読んでも「続きを読みたい!!」とあまり思わないからだ。山田ユギたんの短編を読むと「この続きを!プリーズ続き!!」と誰にともなく祈ってしまうが、リコたんの短編を読むと「はー面白かった!さあつぎいくか!」という気分になれる。基本的に漫画なら短編集の方が話がたくさん入っていてお得な気分になれて好きなので短編選手のリコたんを結構愛しているのである。そんな私は小さな高級ステーキと皿いっぱいのサイコロステーキだったらサイコロステーキを選んでしまうタイプだ。


相変わらずコマとコマのつながり方がものすごく不思議な漫画で、パラパラ漫画を読んでいるような気分になる。絵が少し乱雑になりつつある気がするが、それも味だと言われてしまえば納得してしまう。お得な作風だな。「スイート・ストロベリー」のキスしそうでしないコマは普段のリコたんと違ってコマ同士が滑らかに繋がっていてちょっとエロくて良かった。話が好きなのはコンビ二のやつとランプのやつかなぁ。


最初の2作はまったくトーンを使っていないけれど、リコたんの中でトーンを使う漫画と使わない漫画というのはどのように分かれているのか気になる。案外トーンを買う金がなかったとかそういう理由だったりするんだろうか…そうじゃないといいな……。