『スイート・ビター・キャンディ』/麻生ミツ晃

スイートビターキャンディ (ミリオンコミックス 18 Hertz Series 53)

スイートビターキャンディ (ミリオンコミックス 18 Hertz Series 53)

ハチミツみたいなカバーイラストに興味をひかれて購入しました。すてきな漫画でした。絵も綺麗だし話も丁寧だし、攻がやさしい(←重要)。受たんも不器用でかわいくて魅力的です!
表題作が萌えです。チビでデブだった主人公の受たんが、憧れの男前攻様に同窓会で再会してラブが始まるお話。この攻のすばらしいところは、言葉によるコミュニケーションをカッ飛ばして性欲に走ったりせず、素直な気持ちを随所で受たんに伝えてあげているところだと思います。COOLでかっこいい攻だから、(やおいによく出てくる)ひどい感じの俺様攻かと思ってしまったよ。ぜんぜんちがったね。むしろ必死だった。攻、必死だった。この攻は受たんがチビデブだった学生時代から受たんをにくからず思っていて、卒業式で受たんに「綺麗な思い出にしたいから」と制服のボタンをせがまれたことを「激しく傷ついた」と振り返っているんですよね。勝手に思い出(=過去の存在)にされちゃうのが嫌だったんだって。かわいいな…。傷ついたって自己申告する攻って珍しい気がする。萌え。再会した当日に受たんをベッドに押し倒すシーンがあるんだけど、慣れてない受たんは驚きと嬉しさと混乱がいりまじって泣いちゃうんです。その涙を見て攻が戦意喪失しちゃってる様もかわいかった。そっか、攻も傷つくんだ…。当たり前だけど、攻も傷つくんですね…。今思ったんだけど「攻、がんばれ」と思えるやおいにはずれはない気がする。私ってもしかしてヘタレ攻が好きなのかな? 意外性のあるヘタレ攻が好きなのかもしれない。「え、そんなかっこいいのにそんなところでヘタレちゃうんだ(嬉)」的な。わくわくしませんか、そういうの…。

後輩くん×生徒会長のお話も素敵でした。攻がかーっと赤面しちゃうところがかわいい。私、まれに受っぽい美麗攻(孔雀攻ってやつですかァ?)に惹かれるんだけど、そのパターンにあてはまるかもしれない。受たんもかわいいな…。終わり方も幸せだし。残り2つの短編も萌えだった。ラストの編集者と作家のやつの展開にはピックリしたけど。受たんの大胆な行動に「え、ちょっ」ってなってる顔の攻がよかった。このあいだポールさんとも話していたんだけど、攻が受たんの意外な行動にビックリしたりあきれたりポカンとしてたりするとむしょうに萌ゆる。なんだろう、麻生てんてーはきれいな線で口元をだらしない感じに描くところが大変エロースですね。唾液とか。