『教師も色々あるわけで』/大和名瀬

表題作は、教師(まともカンペキ攻)×教師(天然愚鈍受)のラブコメ
これから、大和てんてーのことは「ボーイズラブ界の小畑健」と呼ばせていただこうか。いっそ異常なほどのどっしりした安定感。絵がきれいすぎてむしろ萌えにくい気すらする。
実を言うと、私が初めて読んだ大和てんてーの漫画はこの作品でした。GOLDの巻頭か何かで、あまりにもカラーがきれいで見とれてしまったのです。あんまり得意な絵柄ではないはずだったんだけど、何となく読み続けるうちに、いつの間にか絵を含めて大好きな漫画家さんになりました。

大和てんてー作品は、きゃるんきゃるんな絵柄ながら、随所にまっとうな感覚が散りばめられていて好感が持てます。
たとえば、この表題作でいうと、教師である受たんが、同僚の攻の性癖を知った後に「男好きの攻の毒牙にかかってしまう」と、生徒たちを攻から遠ざけようとするシーンがあるんです。そこで攻が激怒して「生徒に手を出すはずがなかろうがこのバカタレが」と言って(もちろんこんな台詞じゃないけど)受たんを戒めるのですが、そのあとちゃんと受たんが反省するんですよね。「ああ、偏見に満ちたオレが悪かったな」と。
この反省、大事。
ーイズラブの登場人物て基本反省しないし学習しない、きわめておっぱっぴーな人種というイメージが個人的に強いのですが(全部が全部そんな人たちじゃないけど。むしろまともな人のほうが多いけど)、大和てんてーキャラはすごいまともーと思えるところがいっぱいあって好きです。表題作は野外でコトに及ぼうとするところはどうかと思いましたが(笑)、それ以外は素直に楽しいよいお話でした。この漫画家さんで体格差のないカップリングというのも新鮮でよかったです。


もう1本、教師×生徒の読みきりも入っています。これがすごい好き。なんでかっていうとこの攻がすごい好みだから。こういう、かっこいいのにどこか笑える攻って素晴らしいですね。マヌケですよね、この攻。すごいマヌケ。ほんとマヌケ。かっこいいのに死ぬほどマヌケ。で、ほんとに素晴らしい。受も素直で可愛いし><。最高でした。