『傷だらけの愛羅武勇』/彩景でりこ

傷だらけの愛羅武勇 (マーブルコミックス)

傷だらけの愛羅武勇 (マーブルコミックス)

ジョー太郎は意外と意固地な人間で、学校で先生がおもしろいことを言っても頑なに笑わなかったりするタイプです。それは漫画を読むときも一緒で、あんまり素直に「ハハハ」と笑うことはないのですが、この漫画を読んだときは久しぶりに「ぎゃはは」と豪快に笑ってしまいました。なんだろうこの可笑しさ…。説明できない絶妙の笑い。でもボーイズラブ(笑)だし、キャラの一生懸命さはかわいいし、それなりにカップリングも成立している気がするし、モエルような気もする。この表紙のクマみたいな受、超かわいい。でも全体的にプレイは変だし、カップリングの組み合わせも彩景先生以外が描いたら「やおいでこんなの読みたいんじゃねェー!」とかなんとか叫びながらちゃぶ台をひっくりかえしたくなるようなキワモノばっかり。

でもギャグが冴えてるし、キャラの一生懸命さがとにかくかわいいので、結果的には大満足の1冊だった。絵は荒削りですが、テーマと合いまくってる。マッチしきってる。だから問題ない。昨今のBL業界は「普通のボーイズラブじゃ飽き足らなくなったあなたへ」なんていう陳腐なキャッチコピーが蔓延してて(いや、そうでもないか)、そういう作品に限って奇を衒ったつまんないモノだったりするんだけど(そうでもないかも)、この本だけは別格。

普通の某胃図羅武じゃ飽き足らなくなったあなたに読んでいただきたいっす。笑えるっす、おもしろいっす。