『恋のはなし』/砂原糖子

遊び人脚本家×純情ホテルマンの恋のはなし。ディアプラスと思えない濃さの濡れ場に驚き。漫画部門については、志水ゆき門地かおりを起用し始めた時点で、「ああ、リリカル路線から方向転換したんだ」と納得していましたが、もしや小説も…? レーベルの特色を大事にしてほしい気がする。最近、BLレーベルの画一化が進んでいっているように思う。エロを入れればいいってもんじゃないんだよ。
と言いながらも、絶望的につまらないうえに朝チュンな小説をつかまされると、フザケンナと暴れ出したくなることもある。げにやおいっ子の心は複雑である。

砂原先生の作品は初めて読みましたが、いつもこんな感じの作風なんですかね。けっこう、器用なタイプの作家さんなのかしら。攻が泣いちゃうところが可愛かったです。受の純情ぶりは異常。29歳でクォーターで人形のような美形で性格にも問題なくて、それで人と付き合った経験がないって、何かがおかしい気がする。でもボーイズラブだとよくありますよね。初物崇拝…。女性って、そういうの嫌いそうなのになぁ。

砂原先生の文体は、なんというか、微妙なところでストレスのたまる感じで個人的に残念でした。特に地の文で「あぁいう」と表現されていたのが気になった。「ああいう」で良くないか? 文章のトーンが、私の感覚と馴染まない感じだった。


高久先生の挿絵は可愛くて非常に良かったです。相変わらず下半身は描かないほうがよいのでわ?とは思うのですが…。トビラに入ってる受たんのソロイラストが結構ハードなかっこいい系でビビりました。この受、こんな人だったのか!

恋のはなし (1) (ディアプラス文庫)

恋のはなし (1) (ディアプラス文庫)