『片恋の少女日記』/中村明日美子

片恋の日記少女 (花とゆめCOMICS)

片恋の日記少女 (花とゆめCOMICS)

探しても見つけ難いのに、恋とは突然訪れるのです―― 表題作『片恋の日記少女』をはじめ、父と元・息子、父と娘の友達、姉と偽り男と会う弟、など、親子兄弟ジェンダーが入り混じったヒトとヒトとの多彩な関係をおかしく切なく描いた作品集。さらに「原色メガネ男子標本」などショートや描きおろし番外編も収録! 

別にボーイズラブ作品じゃないのですが、一応。
●「父と息子とブリ大根」
女装モノ。女装青年の父親描写が妙にリアル。担当さんに「指毛を描く必要はない」と指摘されたエピソードが興味深い。少女漫画なのに…。なんか、その指毛に、中村明日美子という漫画家の特性が凝縮されているような気がした。中盤ちょっとホロリとさせる。キュンとさせて最後に落とす、まさに「おかしく切ない」鮮やかな短編でした。

●「待ち人キタリ」
こういう攻が出てくるボーイズラブが読みたいです。すごい好き、この攻…(注:これは少女漫画です)。このヘタレ攻とこの女の子がくっついたらすごい萌えると思う。

●「娘の年頃の娘」
微妙な年頃の女の子が非常にイキイキと描かれている。たいへんかわいらしい。途中かなりキュンときた。終わり方が良心的で素晴らしいです。

●「とりかへばやで出会いましょう」
シスコン&女装もの。というとかなりエキセントリックな作品のようですが、コミカルでテンポもよく、非常に読みやすい作品です。これも攻がいいですね(注:だから攻じゃないっつーの)。でも攻と言いたい。言わせて!!!

●「原色メガネ男子標本」
共感度MAX。
全眼鏡スキーの方におすすめしたい物件。明日美子先生の描く眼鏡男子は超萌え。私、別に眼鏡属性はないはずなのに…。どうしてこんなに萌えてしまうのだろう。この男の子はきっと攻ですよね…。攻眼鏡。…いい。超いい。この保険の先生とくっついてもすごい萌えると思う。受でも萌えると思うけど、たぶん攻ですね(注:しつこいようですが少女漫画です)。

●「片恋の日記少女」
平手打ち超萌え。
今気づいたんですけど、中村先生の描く女性はみんな受ですね。珍しい…。たいていBL作家の描く女性って攻になっちゃうんですけど、ここまで読んで「中村先生の女性キャラはみんな受だ」ということに気づきました。だから男女ものでも普通に萌えるんだなぁ…。この緑の花のピンどめのみつあみ少女も受ですね。このヘタレ攻と今後お付き合いをするのかと思うとわくわくします。お幸せに〜。



総じて大満足。いい少女漫画を読みました。今回気づきましたが、私は中村先生の描くヘタレ攻が最高にツボにはまるようです。この作品集に出てくる男性キャラ全員萌えです。