『カウント0』/柚摩サトル
- 作者: 柚摩サトル
- 出版社/メーカー: 海王社
- 発売日: 2007/12/10
- メディア: コミック
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紹介文にあったとおり、奇抜な設定とBL的萌えがうまく融合して、なかなか満足度の高い仕上がりとなっています。攻は、交通事故がきっかけで、ヒトの頭の上に『ある数字』が見える特異体質になってしまいました。その数字とは、その人がこれまでについてきた嘘の数なのです。これは大変なことです。自分ひとり他人の嘘が丸見え状態になってしまうというのは、非常に恐ろしいことだと思います。攻、お可哀相…。そん中彼が出会ったのが、「カウント0」、つまり今まで一度たりとも嘘をついたことがないという奇跡の人物・美園たんなのでした。
天然な受たんが、恋を知ってはじめて自分のこころを偽ることを覚えたり、他人を疑うことを知ったり、もがきながらステップアップしていく様に好感を持ちました。
ただ、攻の受に対する好奇心が下半身に直結するまでがTOO SPEEDYで、もう少しじっくり受・攻の関係を深めてもよかったのではと残念に思いました。なんとなくこの作者さんの絵、濡れ場向きじゃない気がするんですよね。神楽坂はん子先生の濡れ場にも同じことを感じましたけど。ガッシュのノルマのせいなのか、やたら濡れ場が挿入されて、むしろ興がそがれました。
欲を言えばもう少し絵に安定感を期待したいところ。こういう設定、大和名瀬先生あたりものすごくうまく料理しそう。シリアスとギャグを織り交ぜて。
ちょっと思ったんですけど、このタイプの天然キャラは少女漫画では成立させにくいと思います。だって女の子の天然でムカつかないキャラっていないですよね!? のだめのように攻々しいキャラならともかく、「可愛い系で天然」って絶対同性の反感を買うと思います。でもボーイズラブの受はすんなりと受け入れられるこの不思議。男ならいいんかい。といわれそうですが、そうなんですよね〜…。男ならいいんです。なんでだろ。