『軍服の花嫁』/あさひ木葉

軍服の花嫁 (プラチナ文庫)

軍服の花嫁 (プラチナ文庫)

とにかく男同士が終始くんずほぐれつしている小説が読みたくて購入。著作も多いし、人気作家さんなら安定感も期待できるだろうと思ってこの作家さんをチョイスしたが、哀しいかな相性が悪かったらしい。

地の文の文体はともかくとして、この方の濡れ場って一体、なんなんですかね。

「私の淫乱な●●●をいじってくださいっ……」
「受たんは本当に淫乱で可愛いな」
「私のいやらしい▲▲▲は攻に可愛がられて気持ちよくなっていますっ……」
「受たんのそこはいやらしいな」
「だんな様の―――で淫乱な■■■を思いっきり突いて下さいっ……」
「受たんは本当に淫乱で可愛いな」

(以下エンドレスリピート)

って感じの濡れ場なんですよ。もう、攻は壊れたおもちゃかと思いましたもん。
過ぎたるは及ばざるがごとし。言葉責めへのパッションは感じられましたが、間違った方向に発動されているとしか思えませんでした。でもこれってたぶん、私に言葉責め萌えの属性がないからNGだった、というだけのことなんでしょうね。でもホント、攻も受も、壊れたおもちゃみたいに同じことばっかり繰り返した気がします。たとえば崎谷はるひさんとかも濡れ場を頑張っている作家さんだと思うんですけど、あの方の濡れ場って、読むと達成感あるじゃないですか。なんか長いし執拗だし、明確な盛り上がりがあるから。でもあさひ木葉さんの濡れ場は、割合平板なんですよね。もうちょっとこう、盛り上がりをつけてボキャブラリーを増やすと、いいんじゃないでしょうか。淫らなものをただ「淫ら」と書くのは小説家でなくても出来るわけですから、そのあたりをこう、攻の台詞に反映させると、壊れたおもちゃでなくなるような気がします。