『ヤバイ気持ち』/穂波ゆきね 原作:鹿住槇

ヤバイ気持ち (キャラコミックス)

ヤバイ気持ち (キャラコミックス)

何度読んでも思うけど……この攻、ひでェよ。無神経だよ、許せねェよ、デリカシーなさすぎンだよ! 

でも、こういうタイプの悪気のない攻ってボーイズラブに割とよく出てくる気がするよなぁ…。女の子にもモテてみんなに人気があるのに、さりげなく受にやさしかったりして、受が勘違いしちゃうんだよな。その気持ち、分かるけどよ、もうちっといい男選びなはれ。はぁ〜。受の片恋ってせつねェなぁ…。この世の中にこんなにせつねェものがあったんだなってくらい、せつない恋だぜ…((C)せつない恋だぜ (ラピス文庫))。

いやよ、この攻の最低さを説明するとだな、まず受は攻に惚れてるわけだよ。でも攻のほうが普通にモテて彼女がいるワケだ。ストーリーの序盤でも新しい彼女ができて、すぐさま攻は肉体関係を持った。しかもそれを受に対しててんで隠そうともしやがらねぇ、元来オープンなタイプの男なんだな。受は攻と彼女の関係をチラつかされるたび傷つくわけだよ。そんなある日、攻のほうからいきなり「女とやってるときいつもお前の顔が浮かぶんだけど、オレおかしくねぇ? おかしーかどうか確かめたいから、一発やらしてくんない?」なんて申し出があるわけだ…。受のほうは「彼女に対して不誠実だ」とつっぱねるんだけど、結局ゴーインぐマイウェーな攻と、片思いの相手と体をつなげてみたい己の欲求に克てず、寝てしまうんだぜ。


寝るな! ばか!


と言いたいところだが、受の気持ちもわからんでもないぜ…。好きな相手とやれたんだからラッキーじゃん、もうけモンじゃん、という考え方も、確かにこの世の中には厳然としてあるぜ…。美術部の先輩は恐らく人間的まともだしナイス攻だが、どうしようもない男に惹かれてしまうことってあるよな…。はぁ…。


そうそう、漫画版を読んだ後に小説版を読んだけど、攻視点の話が結構いい感じで、ちょっと救われた気持ちだったぜ。あのまま「攻、サイテー(ぷんすか)!!」のままだったらちょっと、ヤバイ気持ちだったぜ…。穂波ゆきね先生のコミカライズは非常にナイスだった。こう、ガリガリっぽすぎない受の裸の感じとか、体のフォルムがナイスだと思うんだよな。攻も爽やかでいい感じだ。てゆーか『せつない恋だぜ』がドラマCD化されていることにビックリ仰天だぜ…。CD化される基準っつーモンが、いまいちよくわからねぇBL業界だぜ。
[rakuten:chuoshoten:10000880:detail]