『Nobody knows』/SHOOWA

Nobody knows (花音コミックス)

Nobody knows (花音コミックス)

BLでギャグって難しいな、と痛感させられた1冊。
昔々櫻井しゅしゅしゅ作品の感想にも書いたエピソードを振り返りたい。いつだったかのマガジンBE×BOYの漫画スクールの編集部評に、ギャグ漫画投稿作に対して「BLでは、ギャグ漫画にさほど需要がない」と書かれていたことがあった(ような気がする。確かな情報でなくて申し訳ない)。需要そのものを疑問視されてしまって、きっとその投稿者はおのれの路線に一抹の迷いを感じずにいられなかったことだろう。確かにギャグしか描けないBL漫画家は人気で伸び悩むだろうなとは思う。なにせラブがあってこそのやおい。萌えがあってこそのBL。「乙女が萌ゆるギャグ」を演出するには、なかなか高度なテクニックが必要と思わる。

が、今後のBL界の更なる発展のために、ここらでギャグ漫画専業部門で新星が誕生してもよいのではないかと私は密かに思っていた。そんなところに華麗に登場したのがこのSHOOWA氏。粗筋にあった「亀×裏筋太郎」の文字に「!?」と度肝を抜かされつつも期待にドキがムネムネしたのは私だけではないだろう。


しかしながら、本作を一読して、なんとも消化不良感が残った。たまたまコミケで買った不思議ちゃんサークルさんの分厚い同人誌を読み通したときの気持ちに少し似ている。面白くないわけじゃないし、こういうものを描く人が同じジャンルにいる事実は嬉しく受け止めるけれども、別段萌えないから私はギャグ要素はBLから摂取しなくてもいいや…。という感じですかね。私がギャグ漫画を読みつけないせいもあるかもしれませんが。ギャグといえば、柴田亜美岡田あーみん新井理恵稲中くらいしか知らない私です。比較的、テキスト過剰タイプの読ませて笑わせるタイプのギャグ漫画が好きな模様です。BL界では西田東先生のギャグのセンスが絶妙だと思う次第です。櫻井しゅしゅしゅ先生はギャグ以外微妙。たまにギャグも微妙。

あ、さきほど「ギャグ漫画専業部門で」と書きましたが、このコミックスにはふつうのBL漫画も収録されています。