『YEBISUセレブリティーズ』第1巻/不破慎理 原作:岩本薫 

YEBISUセレブリティーズ 1st (新装版) (ビーボーイコミックス)

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リブレ出版的にはリキ入れてるんだろうけれど、本当にこの作品ってヒットしているんだろうか?謎。極めて謎。というわけで、かなり懐疑的な気持ちで手にとってしまった本書であったが…。うーん。確かに土台がしっかりしている感じはあるし、王道をきっちりとなぞってくれる安心感はあるのだけれど、それだけだった。多分これって最高のクリエイター集団『エビリティ』が職場内恋愛とかライバル会社恋愛とかで続々カップルとしてデキ上がっていく話だと思うんだけど、軸になるカップリングのボス×バイトくんが微妙だと思う。こーいう、小さいコミュニティの中でトップの男が末端のアルバイトに手ェ出す時点でどーなん?と思ってしまう。公私混同を教えてどーするよ、ボス。せめて受がもう少し成長してから手を出すべきだった。じゃないと、他の社員にしめしつかないじゃん。名刺の納品トラブルに関しても、天地のサイズを間違えるなんてミス、あまり現実的じゃないと思うんですけど。まぁ、書籍でも四六とA5サイズを間違えて納品しかけた、なんてこともありますがね。
不破慎理さんの作画は…うーん、どーなんじゃろ。あんまり華がない気がする。あと受の顔が古いせいで色気が足りなくなっている気がする。攻はところどころかっこいいと思う。王道の見せ方をよく心得ているなーと感心する場面も多々あった。だけど、やっぱこのテーマの作画には、「おおや和美」「蓮川愛」的なキラキラ感が絶対不可欠だと思う。だって「セレブ」だもん。ラブ☆セレブだもん。不破さんの絵はどっちかというと、堅実なタイプのどっしり系なのね。というわけで、この本は不破先生の絵が好きな人が読むべき書物なのだな、と感じました。たぶん、志水ゆきあたりならもっと上手く萌えを消化して漫画化すると思うんですよね。あの人、なんであんなに絵が不安定なのに王道をゆけるんだろう。そこにいつも感動してしまうんだけど。つーかただ単に受の髪型が古いだけのような気もしてきた。これじゃ『風と木の詩』のセルジュじゃん、と思ってしまうのは私だけか。



バイセクシャルを公言する攻には要注意、というマイ・ルールがあるので、このボスには注意が必要。