『せつない恋だぜ』/高坂結城

せつない恋だぜ (ラピス文庫)

せつない恋だぜ (ラピス文庫)

ラブレターを「せつない 恋だぜ」という一文で締める男ってちょっとどうかと思うぜ!!!「そりゃないぜBABY」(by.立野真琴)って感じだぜ。

実はこの本、ラピス文庫なんですよね。ラピス創刊時の一冊なのではないかと思います。性描写が超少なくてビビる。同じころ水戸泉の『薔薇の名前』が出ていたことを思うと、本書がなぜこんなにもヌルい仕上がりなのか疑問。一文ごとに改行しているのも不自然だし、日本語が間違っている箇所もあるような。地の文が軽いノリなのに告白シーン後の攻の気迫が凄まじくてちぐはぐな印象だし、統一感皆無。まさにボーイズラブの黎明期を見る思い。原稿に推敲の余地ありすぎ。この内容に如月さんの挿絵は勿体ない気がする。

同じラブレターものでポップなBLといえば、水森しずくさんの『嫌いにならないでね』がありましたね。ボーイズラブアワードさんで同シリーズの『悪魔の論理学』が上位に食い込んでいて、なんだかどっきりしました。水森さんはもうBL本なんて出したことを後悔なさっているのかなぁ…(涙)。また新作を書いてほしいんですけど。