ボーイズラブ小説に挿絵は必要か?(その2)

今日も元気に通勤電車でBL小説を読みました。今日は携帯電話料金の請求DMで挿絵を隠してみました。これ、はたから見るとヘンてこな図なんだろうな。通常、私は文庫の場合アンケート葉書を重ねて隠し、ノベルズの場合はページを丸めて見えないようにガードしています。ただ、丸めて隠す場合、どうも紙を傷めつけているような気がしてしまって、あまりよい気分はしません。かといってそこまでの愛書家でもないので、割り切って貪り読んではおりますけれども。

それはそうと、ひさびさにトラックバックをいただきました。みなさんどうぞ下記のURLをご参照ください。
http://d.hatena.ne.jp/an-co/20061122#p2
挿絵の件は、他の方がどう思っているのかちょうど興味を持っているところでした。やっぱり挿絵、要らないですよね。私もカラー口絵で肌色比率が高いと萎える派です。あ、でもこの間読んだピアスノベルズで、局部にモザイク処理が施されていたのにはあっぱれと思いましたけど。一番やめて欲しいのが、濡れ場を描いたカラー口絵のイラストを、裏表紙の粗筋紹介に添えて流用しているケース*1。これ、会計に出すとき恥ずかしいんですよ。ビーボーイとかこの形式だと思うんですけど、これは恥ずかしい。いっそ表紙を上にして店員さんに差し出せと!?そういう意図なんですか。困ります。

最近挿絵でイマイチだなぁと思ったのが、冬乃郁也が描いていた、着物の下に着た下着の描き方。「さぁ着物萌えしたまえ」と言わんばかりの小説で、普通の下着を穿いているのを挿絵で描かれても萎えるだけだと思う。隠したまえ、と言いたい。蓮川愛はちゃんと隠して描いていた。あと「これはどうだろう」と思ったのが、遠い昔に読んだ新田祐克挿絵の坂井朱生の小説。はっきり言って、新田アニキの挿絵は、すでに挿絵じゃない。刺し絵だ。新田アニキの持つパッションが目に突き刺さってくるのだ! とにかく、今じゃ、小説の内容はさっぱり思い出せない。思い浮かぶのは、新田アニキの描いたカバーのロン毛攻の意味深な視線だけ。あと、月村奎の名作『WISH』における堂本ミカの挿絵はどうかと思った。ビリー高橋のタクミくんシリーズのコミカライズくらいどうかと思った。でも、あとがきによると堂本さんはとても面白い人らしくて、月村先生のモチベーションを相当上げたみたいです。
他にもいろいろイマイチな挿絵はあったと思いますが、とりあえずこれだけ。

それにしても、「1ページ丸ごと読み飛ばす」という意見には驚愕しました。ふつう、読み飛ばすという発想はあまり湧かないと思うのだけれど、確かに読み飛ばしたら隠す行為の煩わしさからは開放されるわけですね。なるほどー。

ちなみに私の好きな挿絵師さんは、

  • 穂波ゆきね(最近ちょっと絵が白っぽくなってしまって残念)
  • 梧桐あさ(センシティブ! 月村けいとのコンビが好き)
  • 依田沙江美(挿絵より漫画を描いて欲しいが、実は最近この人の漫画のノリについていけない)
  • 今市子(今さんがカバーイラストを担当していると無駄に名作の予感がしてしまう)
  • 石原理(ヤクザといえば! 絵が荒れる前のイシハーラ先生は神だったが、あまりにもピークが短すぎた)
  • 沖麻実也(ただしタッチが古すぎるためファンタジー限定でお目にかかりたい)
  • 蓮川愛(仕事が丁寧で好感が持てるのと、BL的ツボを理解している。実はファンタジー向きの人だと思っている)
  • 円陣闇丸(小説家を選ばない挿絵師。最近イラストが雑になっていませんか?)
  • おおや和美(BL入門に最適)
  • やまかみ梨由(陽だまりのごとき安心感がある。素朴な絵柄が○)
  • 北畠あけ乃(神経質そうな小説にハマる)
  • 志水ゆき(同じく神経質そうな小説にハマる。ただ、世間の需要を考えると、挿絵より漫画を描いていたほうがいいと思う)
  • 高久尚子(カラーのイラストが特にかわいい)
  • 佐々成美(いつの間にあんなに受をきゃるんきゃるんに描くように!?)
  • あじみね朔生(攻がけっこうエロい)
  • 如月弘鷹(実は同人のジャンルが同じかも知れなくて勝手に親近感。活動的な絵柄で好感が持てる)
  • 西けいこ(フジミの初期に限る)
  • 高緒拾(この方にも挿絵より漫画を描いて欲しいが、ハードな小説にハマる)
  • 稲荷家房之介(攻がかっこいい)
  • 青樹糸忽(字が出ません。初期の絵、好きでした)
  • 奈良千春(あ、でも『エス』の受の描き方はあまり気に入ってない)

まぁ、つまりは私は王道でうまいイラストレーターが好きだということですね。
昔は山田ユギさんの挿絵目当てで小説を購入したこともありましたが、ユギたんは最近絵柄が変わってしまって、どうも馴染めません。特に英田サキ『夜に赦される』カバーの攻の目! どうしたことでしょう。挿絵を描くヒマがあったら漫画を描いて欲しい。

逆に、「この挿絵素晴らしいーーー!」と思ったのが、久能千明「青の奇跡」シリーズの『クリスタルクラウン』下巻にあった、攻が受を廊下に引っ張りこんっで強引に口付けるシーンの沖麻実也氏のイラスト。『クリスタルクラウン』はカバーイラストレーションも素晴らしくて、最高にうっとりです。こういうのを見ると、挿絵も必要だと思うんです。あと、挿絵なしのオサレ路線BLレーベルなんか新設されやがったら、私間違いなく反感を持つと思います。「BLのくせにオサレだと? 羞恥こそBLの快楽!」と憤るかも。矛盾してるっつーの。

*1:ついでに言うと、粗筋紹介にハートマークを飛ばしまくるのもやめてほしい