『この胸をどうしよう』/高遠琉加

この胸をどうしよう (アズノベルズ)

この胸をどうしよう (アズノベルズ)

アズノベルズって初めて読んだかも…。アンケートはがきが切手不要である点はすてきだ。
話の内容は、幼馴染同士のよくあるすれちがい勘違いLOVEで、まぁ可愛くていい話なんだけれども、高遠さんの場合、他のBL作家と同じ題材を書いていても、ちょっとだけ透明度が高い感じがする。恋愛音痴を書くのが上手いのかも知れない。この話は攻が芸能人なんだけど、あまり浮ついた感じがしない。この人、輝いている攻×普通の受、っていうカップリングがすきなのかな。だから好感が持てるのかもしれない。

この話では、人付き合いが下手な受が、攻を介して知り合ったドラマプロデューサーの影響で、だんだん外に向け意識をひらいていく過程が一番おもしろかった。でもシンデレラストーリーじゃないのね。あくまで世界に祝福された存在は攻のほうなの。BLって何かっちゅーと受をちやほやしがちなので、そのあたりがいいんじゃないかしら、と。そんな風に思いました。


挿絵は、どうでしょう。柔らかい雰囲気は出ていたかと思うけれど、攻の髪がベタ塗り、というのに違和感。受より淡い色じゃないんですかい。